【保護活動】みんなに愛された巨大食道症の「ナギ」、虹の橋へ

ワンだふるファミリーで全国からたくさんの皆さまに応援して頂いた、巨大食道症の「ナギ」。9月に入ってから調子が悪くなり、9月19日の夕方頃、スタッフ達に見守られながら静かに虹の橋を渡っていきました。もう少しで推定4歳でした。

ナギは2019年7月に広島県動物愛護センターから保護し、ピースワンコへやってきました。当時、推定1歳半位でまだ若く、ほどなくして卒業していきましたが里親様が亡くなってしまい、もう一度ピースワンコで暮らすことになりました。「巨大食道症」が発覚したのは2020年の春頃。食道の一部が何らかの原因で広がって食道の筋肉が動かなくなり、食べたものを胃に運べずに嘔吐してしまう疾患で、栄養を取ることが難しい病気です。

スタッフはナギが嘔吐しないように、フードをミキサーにかけて流動食のようにして少しづつゆっくり時間をかけて食べさせたり、食後も吐き出さないように食道と胃をまっすぐにするためにリュックキャリーに入れて1時間くらい背負ったり。ナギはおんぶしてもらうと気持ちが良いのか、そのままお昼寝することもありました。

人懐っこくて甘えん坊で、誰からも可愛がられていた優しいナギ。人が傍にいると落ち着くのか嘔吐も比較的すくなかったので、昼間はドッグランの受付で看板犬をしたり、スタッフが自宅へ連れて帰って一緒に過ごしたり、みんなで大切にお世話してきました。

9月に入ってから、大好きな散歩にでても歩きたがらなくなり、呼吸も苦しそうにハァハァと荒い息をすることが増え、発作も起こすようになりました。血中酸素濃度が低いと呼吸が苦しくなるため、肺がちゃんと機能して酸素を取り込めているかどうか1日3回SPO2(動脈血中の酸素飽和度)測定し、数値が低いときは酸素室へ。嘔吐で体力がなくならないように、ごはんも1日3回に増やし、点滴も行うようになりました。

ナギは最後まで頑張ってくれましたが、9月19日に3度目の発作のあと、脳機能障害に付随した呼吸障害で虹の橋へと旅立ってしまいました。短い犬生だったけれど、たくさんの人の愛に支えていただいた「ナギ」の物語、ぜひ動画からご覧ください。

※ナギの動画|ピースワンコTV(4分19秒) ⇒ こちら へ。

 

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