2018年に小学校2年生だった二番目のお嬢さんが湘南ベルマーレサッカースクールに通い始めたことがきっかけで、家族みんながベルマーレファンになったという山田様ご一家。コロナ禍以前はホームゲームだけでなくアウェイ戦の観戦に、大阪や静岡などへもご家族で行っておられたそうです。いまもサッカースクールに通っているお嬢さんは、ワンコと暮らすためにお父さんとの約束を1年間守り通し、2019年にピースワンコ・ジャパン湘南譲渡センターから「弥穂(みほ)」ちゃんを家族に迎えてくださいました。弥穂ちゃんとの暮らしについてご家族にお話をお聞きしました。
●保護犬を迎えるために守ったお父さんとの約束
お嬢さんがサッカースクールに通い始めたと同じ頃、「犬と暮らしたい」と言うようになったそうです。犬と暮らすということは命と暮らすこと。お父様はお嬢さんが軽々しい気持ちで迎えないように「2つの約束」を1年間守ったら犬と暮らしていいよ、と伝えたそうです。
それは「毎日、朝起きて勉強すること」「犬を迎える時の全費用は自分のお小遣いでだすこと」
お嬢さんは1日も休まずに約束を守り続け、お年玉やお小遣いを貯金し続けて、1年後、お父さんから許可をもらって湘南譲渡センターに来てくれました。そこで出会ったのが月齢3か月だった「弥穂」ちゃん。お嬢さんは、お転婆だけど適度な距離感を取る「弥穂」ちゃんを好きになり、2019年5月、家族に迎えてくれました。
●「弥穂」ちゃんとお嬢さんの関係は?
弥穂ちゃんが家族の中で一番懐いているのは、犬と暮らすためにお父さんとの約束を1年間頑張り続けたお嬢さんだそうです。家族を出迎えるときも、お嬢さんが帰ってきたときが一番喜ぶし、お嬢さんには何をされても平気。夜一緒に寝ているときに他の家族が蹴とばすと唸って怒るのに、お嬢さんには蹴とばされても何をされても全く怒らないんだとか。まるで、自分が家族になれたのはお嬢さんのお陰、と思っているかのように信頼し、二人の間には深い絆が出来ているそうです。
弥穂ちゃんは、遊んだり外出したりするのも大好き。お散歩のときにお嬢さんがリフティング用の小さいサッカーボールや松ぼっくりを蹴ると、それを追って走って止めたり、鼻で転がしたり。さすがベルマーレサポーターのファミリー犬ですね!
コロナ禍前は、月イチくらい家族でいろんなところにドライブに行っていたそうです。弥穂ちゃんは車に乗ると最初は足が震えることもありますが、しばらくすると寝てしまうとか神石高原シェルターへも行き、弥穂ちゃんはドッグランで走り回っていたそうです。
●苦労したことや大変だったこと
弥穂ちゃんが家族になったのは月齢3か月頃。パピーだったこともあり、トイレトレーニングが大変だったそうです。絨毯とか柔らかいところでオシッコをしてしまうので、一日中洗濯やそうじをすることに。半面、家具とか壁とかをガジガジ噛むことはなかったそう。
また、朝3時頃から起きて騒いで散歩に行きたがったり、散歩の時の引っ張りが強かったり、困ることがいろいろ生じたそうです。ご家族は湘南譲渡センターのスタッフに相談し、その年の秋から犬の保育園に通うことに。弥穂ちゃんは幼稚園に通いだして数日で、朝起きても騒がずおとなしく待てるようになり、引っ張りも少なく上手にお散歩できるようになりました。保育園では、一緒にお勉強している小型犬たちとも仲良く遊べるそうです。
元気いっぱいのパピーだった弥穂ちゃんは、元気すぎてクレートの柵を飛び越えてキッチンに入ったり、宅配便屋さんや郵便屋さんが通ると吠え続けたりすることも。今ではクレートの扉が開いていても待てるようになりましたが、家の前を知っている人が通ると嬉しくてつい声をだしてしまうので、まだお勉強中だそうです。
●迎えてよかったこと、日常のエピソード
家族になったばかりの頃はみんなの事が気になりつつも自分から近寄ることが出来ず、距離を取っていた弥穂ちゃんでしたが、今はいつも家族の真ん中にいるそうです。ご家族は「うちに来てくれてありがとう」と思っておられるそうです。弥穂ちゃんは出かけた家族の帰宅時間が分かるらしく、帰宅のだいぶ前から2階の窓のところで外を見ながら待っているそうです。姿が見えたら玄関に駆け下りてワーっと大喜びでお出迎えしてくれるのが、たまらなく嬉しくて愛おしいそう。
普段は「犬ってこんなに寝てるの?」と驚くほどよく寝ているそうですが、家族が出かける支度をしているとスイッチ入ったように起きて「遊びに行くの?!」と一緒にソワソワ。でも、連れていってもらえないとわかると「あ、そうなんだ」というように自分からお留守番場所の2階へあがって寝てしまうとか。ドッグランに連れて行くと、楽しそうに猛烈にグルグル走り始め、小さい頃は止まろうとしても自分で止まれず、勢いあまってコロコロ転がってしまうことも。また猛スピードで走って急にガッと止まるのが好き過ぎて、肉球が切れたこともあったそうです。
「弥穂ちゃんと暮らしてからは、犬を連れて行って大丈夫な場所や一緒に泊まれる宿にしか行かなくなった」とご両親は笑いながら幸せそうに話してくださり、「弥穂ちゃんがもう少し落ち着いたら、2頭目も考えたい」、そうおっしゃってくださいました。
●保護犬を迎えようと考えている方へのメッセージ
「保護犬を迎えるのは特別な事じゃありません。うちはたまたま弥穂が保護犬だっただけで、保護犬を迎えてもペットショップから迎えても、どちらも大切な「命」だし「家族」ですし。命を迎える選択肢はたくさんあるけど、捨てられる命だったら助けてあげたいし、子どもたちには殺処分されてしまう命があることや命の大切さなどを知り、学んでくれればと思っています。
弥穂はピースワンコから迎えた保護犬だけど、家族との絆、とくに次女との絆はとても深い。保護犬でも人と強い絆を蒸す無事が出来、かけがえのない家族に慣れる。これから犬と暮らしたいと思っている方がいて、中型犬と暮らせる環境がある方は、ぜひ保護犬を迎えることを選択肢の一つに入れていただきたいなと願っています。」
ご両親はそう語ってくださいました。