【活動報告】保護犬の母から産まれた、災害救助犬候補生「ニリュム」、国際救助犬試験に挑戦!

2018年に入職した新米災害救助犬ハンドラーの小池は、日々保護犬たちのお世話をしつつ、相棒となるワンコを探していました。数頭、候補のワンコたちを見付け、先輩ハンドラーたちとそれぞれの性格や相性を見極め検討していました。そのワンコたちの中で「ニリュム」は人にも警戒心がなく、明るく好奇心旺盛で元気いっぱい!「この子と一緒に、頑張ろう!」と、ニリュムを相棒に選びました。

ニリュムは、2018年9月、ピースワンコで保護した時に身重だったお母さんワンコより生まれた子犬のうちの1頭でした。お母さんワンコは、広島県動物愛護センターにたどり着いた時には出産を間近に控えている状態で、少し経つと犬舎で数頭のワンコを無事に出産しました。

 

ニリュムを相棒に決めた後、新米ハンドラーの小池とニリュムは、お互いの絆を深めるために、一緒に暮らすようになりました。

普段は小池が所属している犬舎にニリュムも一緒に出勤し、小池の一日の仕事が終わると一緒に帰宅します。小池と二人きりのときのニリュムは、リラックスしてとっても甘えん坊になるのだそうです。

救助犬チームで行われる定期訓練では、普段は甘えん坊のニリュムも真剣そのもの。若くてパワフルな彼らしく、軽快に瓦礫を乗り越え、無事に要救助者を見つけると、得意げな表情を見せてくれます。

現在は、ニリュムも少しお兄ちゃんに成長して人見知りをするようになりました。その彼の成長に合わせ、初対面の人が居ても訓練(ニリュムにすると、かくれんぼゲーム)に集中できるよう、人慣れのトレーニングも並行して行われています。

そして、二人三脚の奮闘から約2年半ほどが経ち、昨年2021年冬に開催されたOPDES(犬の教育社会化推進機構)による国際救助犬試験に、初めてチャレンジしました。

正式な合格には至らなかったものの、これまで積み重ねてきた小池との信頼関係や捜索スキルを発揮でき、新たな課題を見付けることができました。2022年も国際救助犬試験に再度チャレンジする予定で日々の訓練を行っています。

去年、天国に旅立ったニリュムのお母さんも、きっとこの二人の成長を見守ってくれていると思います。

救助犬ハンドラーの小池と災害救助犬候補生ニリュムへの応援、これからもよろしくお願いします!
 

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