ワンコと里親さん初対面の場!「譲渡会」ってこんなイベント

9月20日〜26日は「動物愛護週間」です。
この時期には、動物やペットに関するイベントも各地で多数開催され、
「保護犬についてもっと知りたい」「保護犬を飼ってみたいな」
といったお声を数多くいただく時期でもあります。

そこで今回は、保護犬と里親さんが初めて対面する場ともなっている、
“譲渡会” について、舞台裏までくわしくお伝えできたらと思います。


【譲渡会の特徴】
★いろいろなワンコに会える!
★おやつ・抱っこ・お散歩もできるかも!?
★スタッフからアドバイスがもらえる
★予約制やオンラインもある!
★ワンコに会いに来る以外にも催し物が楽しめるかも!


今回、譲渡会についてくわしく紹介させていただくのは・・・

入職2年目!広島県神石高原町にある仙養シェルターのスタッフ、
岡本 芙羽(ふたば)が、譲渡会についてお伝えします!

スタッフ岡本とマカシくん

マカシと仙養ドッグランカフェにて

 

―「譲渡会」とは、どんなイベントですか?

岡本:ピースワンコ・ジャパンの譲渡会は、一つのサークルに3頭ほどの犬が入り、お客さまに外から見ていただく形です。加えて、おやつをあげてもらったり、抱っこしてもらったり、場合によっては一緒にお散歩へ行ったりして、ワンコと触れ合っていただく機会もあります。ただ、お客さまに囲まれると緊張して固まる犬や、震えてしまう犬も多いんです。その場合は触れていただくのが難しいので、普段リラックスしている時の様子をお話ししたり、撮りためておいた動画をお見せしたりしています。コロナ禍で密を避けるため、予約制の譲渡会や、オンライン譲渡会も行っています。

2月の譲渡会の様子

2022年2月の譲渡会の様子

 

―「譲渡会」の準備は結構大変なのでは?

岡本:まず、譲渡会に参加する犬を選びます。シェルターで過ごしているワンコの中で、人に馴れてきた子、お散歩ができるようになってきた子は、「そろそろかな」と譲渡会への参加を検討します。ワンコが決まったら、その子のポップ(名前・推定年齢・性格などが一目で分かる自己紹介カード)を作り、当日に備えます。

―譲渡会では、お客さまからどんな質問をされることが多いですか?

岡本:「野犬って人に馴れますか?」という質問が特に多いです。SNSなどで「野犬は人に馴れない。」と多く発信されているので、そのイメージが強いのかもしれません。そんなご質問には「ワンコによっては数か月、年単位を様子を見ていただく必要がありますが、必ず心を開いてくれるタイミングが来るので、辛抱強く接していただけたら大丈夫です」とお話ししています。

―出会ったワンコが自分の家族に合うかどうか、どうすればわかりますか?

スタッフが毎日のお世話をしていますから、家族構成やお宅の様子など、ぜひスタッフにお話ししてみてください。会話の内容から、スタッフが合うかどうかに関してアドバイスすることも可能ですし、そのご家族に合いそうなワンコをご紹介することもあります。

マカシとのお散歩

お散歩はまだまだ練習中のマカシ

―譲渡会当日、「家族として迎えたい」と思ったワンコを連れて帰れますか?

岡本:一目惚れされる方も多いのですが、残念ながら当日は連れて帰れません。普段ワンコが暮らしている環境とは全く異なる譲渡会会場で緊張して疲れてしまう子もいるので、仮にそのまま初めてのおうちへ行くとしたら、ワンコに大きなストレスがかかってしまう危険性がありますし、家族に迎えるための環境の準備も、人とワンコにとって必要であると、ピースワンコでは考えているからです。

譲渡会で家族として迎えたいワンコが決まった場合は、お申込書を書いていただき、書類審査をいたします。その後お宅訪問をさせていただき、ハーネスやショルダーリードのご準備など、ご家庭でワンコを家族に迎えるための準備が整い次第、「卒業」となります。お申込みから卒業までの期間は状況によって様々ですが、初めて保護犬を迎えられる場合、平均して1ヶ月前後です。
【譲渡までの流れ】https://peace-wanko.jp/hogoken/flow/

―ご家族とワンコの相性を見極めることや、「卒業」までのサポートは、かなり経験がモノを言いそうですね。

岡本:そうなんです。教科書もないので、ただただ先輩の言い回しや行動をメモして真似てみたり、アドバイスをもらったりして、猛勉強の毎日です。入職して1年半が経ち、仕事にも慣れてきて、最近では一人でお宅訪問にも行っています。

―これからの目標はありますか?

岡本:近年はコロナの影響で譲渡会がなくなったり、参加できる頭数に制限があったりで、なかなかたくさんの犬を譲渡会へ連れていけませんでした。でも、本当に可愛いワンコたちばかりなので、譲渡会に連れていく頭数を増やしていき、新しいご家族のもとへ「卒業」していくワンコを増やしたいですね。そのためにも、インスタなどでどんどん発信していきたいです!最近だと、アルスくんの情報を発信したので、ぜひご覧ください!

9月2日の投稿(https://www.instagram.com/p/Ch_5iMaBL0u/

 

―最後に、これから譲渡会へ行ってみようかなと思っている方に、メッセージをお願いします。

岡本:ぜひ可愛いワンコたちに会いに来ていただきたいです。出会ってすぐ触りたくなる気持ちはよく分かるのですが、怖がりな犬が多いので、まずは見守る感じでお願いできたら有難いです。どのように接したらいいかは、近くのスタッフにお気軽に聞いてみてください!

最初は警戒していても、人間がちゃんと可愛がれば甘えん坊になっていく姿を数多く見てきました。そんな幸せや安心感を、1頭でも多くのワンコに感じてほしいと思っています。幸せな日々をワンコと共に過ごしてくださる里親さんを心よりお待ちしています!


スタッフ岡本プロフィール

主に担当している「イエロー犬舎」前にて

広島県神石高原町 仙養シェルター担当
岡本芙羽(おかもと・ふたば)

実家で猫を10頭ほど保護した経験から、将来は地元で動物の保護施設をつくりたいと思い、同じ事業をしているピースワンコ・ジャパンに入職(2021年)。仙養シェルターを担当し、譲渡会にも足を運ぶ。「保護犬の人馴れトレーニングは想像以上に大変でしたが、だからこそ懐いてくれた時の喜びは大きいです」

 

▼ふるさと納税でご支援をお願いいたします。

 

 

 

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]
  • 終(つい)の住処になるー終生預かりボランティア制度ー

    預かるという選択 ピースワンコに在籍する、約2500頭の保護犬。 その中には、シニアや持病のあるワンコも含まれている。 人に慣れ、体調管理をしてもらいながら、穏やかに暮らす犬たち。 そういった子たちは、人が好きなワンコで […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」という言葉を残した。 今回は、まさに彼の名言を体現したような話を綴りたい。 ピースワンコ・ジャパンは、全国で […]
  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家としての一面も、そんな片桐さんのもう一つの顔だ。保護犬を我が家に迎えること。自分たちが、その子にとっての帰る場所になること。 […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠していた地中の虫たちが目ざめるという理由で「虫出しの雷」という呼び名もあるそうだ。 なにかがはじまるような雰囲気で、嫌い […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。