◆ファミリーサポート制度とは?
ピースワンコ・ジャパンでは、シニア犬・持病がある犬・障がいがある犬など、医療ケアがかかせない保護犬を迎えてくださった里親様に対し、譲渡後も、引き続き生じる医療費や療法食代など飼育費用の一部をピースワンコが負担する「ファミリーサポート制度」があります。 疾患がある保護犬たちに、一頭でも多く幸せな家族ができるように、この制度を設けました。
◆2022年夏、オレンジ犬舎を卒業したワンコ、「ヴォルツ」の里親さまインタビュー
愛犬の持病とファミリーサポート制度
譲渡前に、ヴォルツが、肛門周囲腺腫という病気があること、フィラリア陽性であることは、スタッフさんから、聞いていました。
そして、家族に迎える前に、医療費の一部を負担してくれるファミリーサポート制度があるとの説明を受けました。 持病の他に、フィラリア治療にかかる医療費まで「ファミリーサポート制度」が適応されると聞き、フィラリアまでサポートしてくれるの!?と、とってもビックリしたのを覚えています。
病院に通った際の実際の活用は?
最初は月に2回程でしたが、今は月に一回程、動物病院に通っています。 医療費はお薬代含めて月に1万~1万5千円以上、精密検査などが必要なときはそれ以上掛かります。 気温などのちょっとした変化でも、体調を崩しやすいので、心配だとすぐにお医者さんに診てもらっています。 そのような中での経済的なサポートは、他のところでは見られないことですし、本当にありがたいです。
◆医療費を負担するファミリーサポート制度の活用。
そしてなによりも、家族に迎えたヴォルツへの、里親様の深い愛情が。
今は亡き愛犬と重なった、里親募集中の頃のヴォルツの姿 ヴォルツのことを初めて知ったのは、ホームページでした。 そこで紹介されていた写真の第一印象から、「この子がいいな、優しそうで穏やかそうな子だな。」という印象を受けたのと同時に、今は亡き愛犬にもどことなく雰囲気が似ていたんです。
写真のイメージとは違った、クールな一面
ヴォルツが初めて譲渡会に参加したとき、直接彼に会いに行きました。
ホームページの写真のイメージからは、もう少し人懐っこい子かと想像していましたが、実際はそんなことはなく、目も合わせてくれないような状態でした(笑)
けれど、そんなところも可愛いところです。
最初はスタッフさんに促されおやつを与えながら触れ合いました。
ヴォルツもそれに応えるように穏やかに反応してくれ、彼の優しさを肌で感じました。 それ以来、譲渡会にもよく足を運ぶようになりました。
また譲渡会に…。中々決まらない、ヴォルツの譲渡先
ヴォルツのことが気になりつつも、当時は愛犬・愛猫の看病など色々な事情が重なり、すぐに迎え入れられる状況ではありませんでしたが、譲渡会には何度も足を運んでいました。 譲渡会に行けないタイミングでも、SNSで発信されている譲渡会告知を見ていると、度々ヴォルツが参加しているんです。 「またヴォルちゃん譲渡会に参加するみたい!」「まだ(里親さんが)決まらないのか~・・・」と、中々新しい家族が見つからない様子に、余計彼のことが気になっていきました(笑)
先住犬とは全く違う介護生活!
先住犬とのかけがえのない思い出や看病の経験があるからこそ、ヴォルツを家族に迎え入れることに踏み切れた部分がありますが、実際に一緒に暮らすと、予想とは全く違いました。 以前一緒に暮らしていた子は、ガンの看病はありつつも、おトイレなどは基本的に自分で行くことが出来ていました。 けれどヴォルツの生活は「介護」が中心です。2022年夏に迎え入れ、最初の頃は自力で歩きながらお散歩に出かけていましたが、徐々に後ろ脚の力も弱くなり、介護を必要とする場面も増えてきました。たとえば食事のために、弱っている脚を支えてあげたり、寝返りを打たせたりすることが必要です。
年をとれば、犬でも、人でも健康状態に何かしらあるものだと思います。 先住犬も持病があり、高齢でしたので、3年ほどしか一緒に暮らしていません。 けれど、期間の長さよりも、少しの間でも、幸せを感じてくれていたら私たちは嬉しいです。
◆里親さまの老犬への思い
「子犬や若いワンコも、無邪気なところがとても可愛いですが、シニア犬の落ち着いているところ、穏やかなところが私たちは大好きです。もしかしたら少ししか一緒に暮らせないかもしれない。だからこそ、家族として迎えたのなら何があっても『一生一緒』に。家族の中で一生を終えられますように。残された余生を安心して、穏やかに暮らして欲しいんです。」と、里親様は語ってくださいました。
その思いには、たとえ自分たちが寝静まる夜中であっても、お水を飲ませてあげたり、寝返りを打たせてあげたり。言葉だけでなく、絶やすことなく注がれ続ける、愛情の行動がありました。
ファミリーサポート制度を通して、卒業後も見守ってまいりたいと思います。