数枚のコインが、確かな支えに
愛犬との散歩中、ふいに喉の渇きを覚える。
飲み物を買おうと自動販売機にコインを入れかけ、ふと思い出す。
私たちが日々、こうして何気なく使っている百円ちょっと、いや数十円で、支えられる命があることを。
ピースワンコ・ジャパンの活動を支える支援には、1日約30円からできる支援制度がある。
ホームページを開いてみると、そこには他にも、寄付やふるさと納税、カードのポイント利用など、。
実に多様な支援方法が並んでいる。
それぞれの支援はどのようなもので、自分にはどれがぴったりなんだろう。
託した寄付金は、どのように活かされているのだろう。
広報の青井さんに、詳しくお話をうかがってみよう。
見守り続ける、継続的な支援
「ピースワンコ・ジャパンの支援方法には、継続的なご寄付、
一回ごとのご寄付、お買い物によるご支援などがあります。
そのなかで中心となっているのが、『ワンだふるサポーター』としての継続的なご寄付です。
ご自身で決めた額を毎月ご支援いただく制度で、1日約30円、月1,000円という。
比較的ご負担の少ない額から始めていただけます。
この制度を通して支えてくださっている方は、現在およそ5万9000人。
サポーターの方には、年に2〜3回ニュースレターをお送りして、。
犬の紹介やスタッフの活動などをお知らせしています。
お一人ずつのご寄付が集まって、本当に大きな支えとなっているんですよ」
離れていても、家族になれる
「『ワンだふるファミリー』も、継続的なご支援方法です。
シェルターにいる犬たちは、基本的には譲渡を目標に、トレーニングを受けながら暮らしています。
それでも病気や障害、高齢などで介護や医療的なケアが必要な子たちは、譲渡が難しいのが現実。
ですので、その子たちは『オレンジ犬舎』という医療設備の整った犬舎で。
、最期まで過ごせるように支えていきます。
ただ、医療費やケアの費用は、それなりの金額になってしまうのが厳しいところ。
そこで支援者の方に、その子の家族になってもらい、見守りながら支援していただく制度なんです」
「ワンだふるファミリー」の特設ページには、サポート対象の犬たちが紹介されている。
どの子も生き生きとした、とびきり愛らしい表情だ。
その中から応援したい子を選び、「ファミリーになる」を選択して申し込むと、
毎月1パウ(3,000円)からの継続的支援ができる。
「ファミリーの方には、ブログでその子の成長記録をお知らせしたり、
お手紙やお誕生日カードをお送りするなどしています。
家族になっても、シェルターのある神石高原町までは、なかなか会いに来られないかもしれません。
それでもお便りを通じて、つながりを感じていただけたらと思っています。
また、寄付によって何に参画されているのか、現場がどのような様子かをご報告し、
NPOの活動を知ってもらうことで、安心していただきたいという気持ちもあります。
そうして、スタッフやワンコのこと、この団体のことを、より好きになっていただけたら嬉しいんです」
ふるさと納税で、神石高原町を身近に
2016年から毎年、ピースウィンズ・ジャパンは、。
神石高原町のふるさと納税の対象団体としての指定を受けている。
返礼品に並ぶのは、神石高原米や在来種「和玉」芋のこんにゃく、。
神石高原放牧牛のヨーグルトといった名産品のほか、犬の命名権やNFTアートなど、さまざまだ。
「ふるさと納税でのご支援にも、たくさん助けられています。対象団体なので、
ピースワンコ・ジャパンの活動を直接的にご支援いただけるんですね。
税金の控除対象にもなりますから、実質のご負担額2,000円ほどから寄付していただけます。
毎年、応援してくださる方もいらっしゃるんですよ」
単発から継続、遺贈寄付も
もちろん、支援をしたいタイミングで、自分で決めた金額を寄付することも可能だ。
また、野犬から災害救助犬になった夢之丞がアンバサダーを務める。
「夢之丞ファミリー(ワンドリーム・プロジェクト)」を通じて、
継続的支援と単発での支援のどちらかを選択し、応援することもできる。
「単発のご支援は、銀行振込でも、カード決済でも、いつでも受け付けています。
会社のご事情に合わせた時期など、毎年決まった時期に支援してくださる方もいらっしゃいますね。
単発でのご支援をしてくださっていた方が、サポーターになってくださることもあるんですよ。
また、遺産の一部を寄付してくださる遺贈寄付も、ここ数年で増えています。
寄付分に相続税がかからないメリットがあるとはいえ、ピースワンコのこれからや、
日本の殺処分ゼロに向けた活動のために託しますとおっしゃって、。
大きな額を遺してくださったわけですから、
そのおかげで成り立つ活動があることを形として残せるよう、シェルターの犬舎や
新しく作る譲渡センターにもお名前のプレートを設置させていただく予定です」
買い物でも、ポイントでも
寄付金以外にも、サポートの方法はたくさんある。
その一つが、公式オンラインショップ「ピースウィンズ・ショップ」での買い物による支援だ。
「公式ショップでは、ピースワンコ・ジャパン・プロジェクトへの寄付つき商品を取り扱っています。
たとえば、ピースウィンズ・ジャパンが支援を続けてきた東ティモール産のフェアトレードコーヒーや、
バスタオル、マスキングテープなどのオリジナルグッズですね。
また、amazonの『ほしいものリスト』も、各施設や譲渡センターごとに公開しています。
フードやトイレシート、ハーネスなど、必要な物品を購入して贈っていただくご支援で、。
こちらもすごくありがたいです。」
その他にも、BOOK-OFFが提供するクラウドファンディング「キモチと。」や、
オンラインで1円から寄付のできる「Yahoo!ネット募金」、
携帯電話の利用料金と一緒に寄付できるソフトバンクの「つながる募金」を通じての支援も可能だ。
「Yahoo!ネット募金」と「つながる募金」は、Tポイントを使っての寄付も対象。
ポイントやキャリアを使っての支援は、気軽に参加しやすい、とても現代的なスタイルだ。
託された支援をもとに
「支援金は、フードやトイレの清掃、設備の補強や新設、医療費、スタッフの人件費などに。
使わせていただいています。
それから、ケージやハーネス、リードなどの購入費用ですね。
いま広島の犬舎には約2600頭の子が暮らしていて、
その生活にかかる費用の全てを皆様からのご寄付やふるさと納税に支えていただいています。
これまでの活動を通じ、約3600頭の犬たちが、ピースワンコ・ジャパンから、家族のもとに迎えられていきました。
10万をはるかに越えていた日本全体としての殺処分数も、この10年で約2700頭までに減少。
皆様からの応援に支えていただいて、『殺処分ゼロ』は、手の届く、現実的な目標になっているんです。
その実現のため、いただいた支援をもとに、これからいっそう譲渡の道を広めていきたいと
私たちは考えています」
遠くにいてもできること。
シェルターや譲渡センターにいる犬たちはもう、怯えながら暮らす孤独な「野犬」ではない。
彼らを家に迎えられたら、それは最高に素敵なこと。
それでも、さまざまな事情で叶えられない人も、少なからずいるはず。
大切にしたいと思うからこそ、迎えることを諦めてしまう。
そんな切ないミスマッチが起こらないように、
応援する機会、家族になる機会をすくいあげてくれるのが、数々の支援方法なのだろう。
遠い場所からだって、彼らを支えることはできるし、家族にだってなれるのだ。
ライター、編集者、イラストレーター。シニアの愛犬が相棒。
インバウンド向け情報メディアの編集部に勤務後、フリーに。。
雑誌やライフスタイル系WEBマガジンでの編集・執筆、企業オウンドメディアのデレクション、コピーライティング等を行う。
近年はイラストレーターとして、出版物の挿絵やノベルティグッズのイラスト等も手がける。