2023年9月12日

信用できる動物愛護団体に寄付するためには?危ない団体の見分け方も紹介

「信用できる動物愛護団体はどこか」「保護活動には興味があるけど方法を知らない」という方も多くいるのではないでしょうか。
事実、善意を逆手にとって悪用する詐欺団体も存在します。

動物への支援を悪用してはいけません。
寄付金詐欺の被害に遭わないためにも、しっかり知識を身に付けておくとよいでしょう。

本記事では、動物愛護団体に寄付する理由や活動内容、信用できる動物愛護団体の見分け方や寄付方法を解説します。

 

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信用できる動物愛護団体に寄付する理由

写真:雪の中で人と遊ぶ保護犬

殺処分の現状を変えるには、保護する犬や猫を増やさなければなりません。

しかし保護を増やすためには、保護を受け入れる先の設備や資金、人手も増やす必要があります。
そこで、重要になってくるのが寄付なのです。

日本の殺処分と保護の現状

まずは、日本の殺処分と保護の現状をみていきましょう。

自治体によって流れが異なる場合もありますが、動物愛護センターに収容された犬は、基本的に公示期間が設けられ、譲渡もしくは殺処分が行われます。
環境省の資料によると、令和3年度に引き取られた犬は約2万4000頭。そのうち殺処分となった犬は約2700頭と発表されています(注1)。

全国の犬・猫の殺処分数の推移 (出典:全国の犬・猫の殺処分数の推移|環境省

年々減少傾向に向かっていますが、まだすべての命を救えているわけではありません。
保健所から犬を引き取りする場合に必要なこととは? 条件や方法を紹介

動物愛護団体と動物愛護センターの違い

動物愛護団体と動物愛護センターの違いは、以下のとおりです。

  動物愛護団体 動物愛護センター
運営 非営利団体 自治体
運営費用 支援金など 税金
業務内容 ・治療やトレーニングを行う
・里親を探す
・虐待や遺棄を防止する活動
・病気やケガの治療は行わない
・攻撃的な犬は譲渡の対象にならない
・殺処分を行うところもある

多くの命を守るためには、動物愛護団体の活動が重要といえます。
名前は似ていますが役割がまったく異なるため、覚えておくとよいでしょう。

動物愛護団体の寄付金詐欺に注意

動物愛護団体へ寄付をする際は、寄付金詐欺に注意しなければなりません。
動物愛護団体のなかには、活動も行わず団体の名前を語っていたり、活動しているように見せかけ、実際は無責任な保護をしていたり、善意を悪用したりする詐欺団体が存在します。

そのため寄付先を決める際は、寄付先のホームページや活動実績があるかなど、実態を調べることが重要です。

しかし、なかには巧妙な手口で詐欺を行う団体もいるため、検索で確認できても実態がわかりにくい場合もあります。
動物の命のためにも、また悪意のある団体を増やさないためにも、信用できる動物愛護団体に寄付することを心がけましょう。

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信用できる動物愛護団体の活動とは

写真:足が不自由でもカートに乗ってお出かけする保護犬たち

信用できる動物愛護団体は、主に以下の活動を行っています。

  • 保護犬の飼育
  • 新しい飼い主を探す
  • 災害救助犬などの育成
  • 啓発活動

どれも動物の命を守る場所である動物愛護団体ならではの活動といえ、殺処分ゼロを目指すためには欠かせない取り組みばかりです。
この活動により、救われる命があるといえるでしょう。

それぞれの活動の内容について詳しく解説します。

保護犬の飼育

動物愛護センターから引き取るだけでなく、ときには野良犬や劣悪な飼育環境からも保護し、飼育することもあります。

保護犬の飼育といっても、食事の世話だけではありません。
保護された犬は、まず獣医師による健康診断を受け、ワクチン接種や必要であれば治療などを行います。

ほかにもドッグトレーナーによるしつけや、心を閉ざしている犬には心のケアを行い、人との距離を縮める訓練もしています。
また、寄付金は以下のことに活用されています。

  • 飼育費(食事代、消耗品など)
  • 医療費(治療費、ワクチン接種、不妊去勢手術など)
  • 保護施設の維持管理(運営費、人件費など)

このように飼育するためには、さまざまな費用がかかるため支援が支えになります。

新しい飼い主を探す

保護犬に新しい飼い主を探す取り組みをしています。
譲渡会を開催することで、実際に保護犬を知ってもらい、家族に迎え入れたいと思ってくれる里親を見つけます。

この譲渡会を開催するためにも費用がかかるため、寄付が活用されています。

災害救助犬などの育成

保護犬の適性によって、災害救助犬やセラピー犬、低血糖アラート犬などを育成する取り組みも行われています。

災害救助犬 優れた嗅覚を生かし、さまざまな災害で行方不明になっている人を捜索するために訓練された犬(注2
セラピー犬 セラピストと施設や病院、学校を訪問し、人の健康と幸せのサポートをする犬(注3
低血糖アラート犬 糖尿病患者が低血糖になったときに知らせてくれる犬(注4

実際にピースワンコ・ジャパンで保護した野犬の夢之丞(ゆめのすけ)も、優れた嗅覚を発揮し災害救助犬として活躍しています。

夢之丞の活動を詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
ミチシルベ(道標)〜ピースワンコ ・ジャパン 夢之丞物語

啓発活動

日本での殺処分や飼育の現状を多くの人に知ってもらうために、啓発活動も行っています。
啓発活動には、以下のものがあります。

  • セミナーや講演会
  • 写真展
  • イベント
  • ホームページやSNS

責任感を持って飼育してもらうために、飼い主のいない動物を増やさないよう発信しているのです。

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信用できる動物愛護団体の見分け方

写真:人馴れトレーニングを通して仲良しになった、保護犬とトレーナー

信用できる動物愛護団体を見分けるためには、以下のことに注目しましょう。

  • 資金の使途を明確に公表している
  • 活動内容が明確に報告されている
  • 保護を頻繁に行っている

残念ながら、全国にあるすべての動物愛護団体が信用できるわけではありません。
信用される団体は過剰な保護は行わず、透明性を重視した活動報告や収支報告を行い、日々のケアから正式な譲渡まで丁寧に対応し、地道な努力で活動を続けています。

こうした責任感が「殺処分ゼロ」に向けて真剣に取り組んでいる団体として評価され、信用できる動物愛護団体であると判断されるでしょう。

資金の使途を明確に公表している

資金の使途を明確に公表しているか確認しましょう。
寄付の使途が公表されていない場合、何に使っているのかわからないため、実際は動物愛護に活用されていない可能性があるかもしれません。

そのため、しっかり収支や使途を明記している団体の方が信用できます。

活動内容が明確に報告されている

活動内容が明確に報告されているか確認しましょう。
日々の活動を写真や動画などで報告している団体は活動が明確なためで、信頼できる可能性が高いです。

ただし、画像が犬の顔のアップばかりだと、飼育環境の背景が不透明で、飼育の実態が見えにくいため、注意が必要です。
実際に保護はしていても、劣悪な環境で飼育されている可能性があるかもしれません。

忙しい日々のなか、こまめに活動を発信していることで、保護犬と真剣に向き合っている姿が見られるため、それが安心につながるでしょう。

保護を頻繁に行っている

動物たちの救出や適切なケアの提供は責任感の表れであり、「殺処分ゼロ」というミッションに真剣に取り組んでいることを示しています。
過剰なまでに保護が行われている場合、引き取りを増やすことが目的で、実際は飼育が行き届いていない可能性があるかもしれません。

信用される団体はやみくもに保護を行うのではなく、透明性を重視した活動報告や収支報告を行い、正式譲渡までのやり取りや、日々寄せられる保護依頼の相談など地道な努力を続けています。

「殺処分ゼロ」を達成するために保護は重要なことですが、無責任な保護では意味がないのです。
透明性のある活動で、適切な引き取りや飼育を行っている団体が信用できるといえます。

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信用できる動物愛護団体へのおすすめの寄付方法

写真:お客様に興味深々な、保護犬

信用できる動物愛護団体へのおすすめの寄付方法は、以下のとおりです。

  • ふるさと納税をする
  • お金や物資を寄付をする
  • 里親として保護犬を引き取る

動物愛護には大きく分けて、寄付と里親として引き取ることの2点があります。
さまざまな事情で里親になれなかったり、住んでいる地域が離れていたりする場合でもできる支援が寄付やふるさと納税です。

自分に合った方法で支援するとよいでしょう。

ふるさと納税をする

ふるさと納税とは、寄付する人が使い道を決められる制度で、自分が応援したい活動を行っている地域を自由に選べます。
また、ふるさと納税には、所得税の還付や住民税の控除が受けられるメリットがあります。

ただし、年収や家族構成で決められた控除上限額が設けられており、この金額以上の寄付を行っても控除の対象にはならず、かえって自己負担が増えてしまう場合もあるので注意しましょう。
ふるさと納税で保護犬を支援する

お金や物資を寄付をする

寄付にも種類があり、さまざまな形で保護犬の支援に貢献できます。

  • 月額で寄付する
  • その都度寄付する
  • ポイント利用
  • 日本動物愛護協会カード利用料の一部寄付

また、保護犬の飼育や、施設の運営に必要な物資を寄付することも可能です。
お金や物資の寄付で保護犬を支援する

里親として保護犬を引き取る

寄付とは異なりますが、里親として保護犬を引き取ることも団体への支援のひとつです。
新しい家族に迎えられ、大切にされながら過ごすことは、保護犬の幸せにつながります。

また、保護犬が新しい家族の元へ旅立っていくことで、新たな保護犬を引き取ることができるため、さらに多くの命を救えるともいえるでしょう。
里親になって保護犬を幸せにする

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信用できる動物愛護団体に寄付しよう

写真:シェルタースタッフと保護犬の集合写真

動物愛護に支援したいと思ったときは、信用できる動物愛護団体に寄付しましょう。

寄付金詐欺を100%見分けることは難しいかもしれません。
透明性のある活動を行っている団体を選ぶことがポイントといえます。

ピースワンコ・ジャパンでは里親募集や寄付、ふるさと納税の取り組みも行っていますので、興味のある方はぜひご検討ください。
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