「動物保護の寄付が必要とされている理由は?」 「信用できない寄付先を避けるには」と、 疑問を抱く方もいるかもしれません。
新しい飼い主探しや施設の運営・管理など、動物保護団体の活動内容を知ることで寄付の重要性に気付けるでしょう。
しかし、動物保護団体のなかには、寄付金詐欺を行っている団体も存在します。
本記事では、動物保護のための寄付の使い道、寄付の手順、信用できる寄付先の見分け方について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
動物保護の寄付が求められる理由
日本では、飼い主が手放したり自然環境で繁殖したりして、飼い主がいない犬猫が動物愛護センターに引き取られています。
しかし、動物愛護センターは税金で運営されているため、人手や収容能力などに限りがあり、引き取った犬猫を保護し続けるのは容易ではありません。
譲渡先が見つからない場合は、殺処分されます。
環境省によると、令和3年度に引き取られた犬は約2万4000頭、そのうち殺処分となった犬は約2700頭おり、減少傾向にはありますが救えない命がまだあるのが現状です(注1)。
(出典:全国の犬・猫の殺処分数の推移|環境省)
動物保護団体は譲渡に向けた治療やトレーニング活動、里親探しなど多岐にわたるサポートをしています。
動物愛護団体と動物愛護センターは連携し、動物愛護センターに収容された犬猫を動物保護団体が引き取る活動もしているのです。
つまり、殺処分の対象になる犬猫を減らすには、動物愛護センターからの引き取り数を増やす必要があります。
しかし、動物愛護センターと違い、動物愛護団体は主に支援金を活用して運営し、犬や猫を引き取って保護し続けるには費用がかかるため、寄付が大きな支えになるのです。
動物保護の寄付はどのように使われるのか?
動物保護の寄付は、以下の費用に充てられます。
- 新しい飼い主を探す費用
- 施設の運営や管理費用
- 不妊去勢手術の費用
- 災害救助犬などの育成
- 啓発活動の資金
このように動物を保護して飼育するためには、さまざまな費用がかかります。
寄付金の使い道が把握できると、寄付の必要性がより理解でき、納得した上で行動に移しやすくなるでしょう。
新しい飼い主を探す費用
寄付金は、新しい飼い主を探す費用に活用されます。
譲渡会を開催して実際に保護犬や保護猫を知ってもらうと、家族に迎え入れたいと思ってくれる里親が見つかるかもしれません。
里親に興味がある方は、こちらの「保護犬の里親募集」ページをご確認ください。
ピースウィンズ・ジャパンの活動を詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
➤ ピースワンコテレビ PeaceWankoTV
施設の運営や管理費用
寄付金は、保護施設の運営や管理費用として活用されます。
施設運営・管理費用の一例は、以下のとおりです。
- 飼育費(食事代、消耗品など)
- 医療費(治療費、ワクチン接種など)
- 保護施設の維持管理(運営費、人件費など)
これらの費用をまかなう上で、寄付金による支援が大きな支えになります。
不妊去勢手術の費用
寄付金は、保護した動物の不妊去勢手術の費用として活用されます。
これ以上飼い主のいない動物や殺処分を増やさないために、メスは卵巣と子宮、オスは精巣を切除し、予期せぬ妊娠を防ぐものです。
犬の手術費用はメスは4~5万円前後、オスは2~3万円前後で、病院や犬の体の大きさでも異なります。
他にも検査代や薬代、入院費などの費用も必要です。
また、不妊去勢手術以外にも、保護犬や保護猫を飼育していくなかで継続的な治療費・お薬代などの医療費が必要になるため、寄付が求められます。
➤ 犬の避妊手術とは? 理由やメリットとデメリットを紹介
災害救助犬などの育成
寄付金は、災害救助犬などの育成費用として活用されます。
保護した犬の適性をみて、災害救助犬やセラピー犬、低血糖アラート犬などを育成する取り組みが行われているのです。
災害救助犬 | 優れた嗅覚を生かし、さまざまな災害で行方不明になっている人を捜索するために訓練された犬(注2) |
セラピー犬 | セラピストと施設や病院、学校を訪問し、人の健康と幸せのサポートをする犬(注3) |
低血糖アラート犬 | 糖尿病患者が低血糖になったときに知らせてくれる犬(注4) |
実際にピースワンコ・ジャパンで保護した野犬の夢之丞(ゆめのすけ)も、優れた嗅覚を発揮し、約8年間にわたり災害救助犬として災害の現場で活躍しました。
夢之丞の活動を詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
➤ ミチシルベ(道標)〜ピースワンコ ・ジャパン 夢之丞物語
啓発活動の資金
寄付金は啓発活動の資金として、日本の殺処分や飼育などの現状を知ってもらうために活用されます。
以下が啓発活動の一例です。
- セミナーや講演会
- 写真展
- イベント
- ホームページやSNS
責任のある飼育をしてもらうために、飼い主のいない動物を増やさないよう発信しているのです。
動物保護のための寄付の方法
動物保護の寄付でおすすめの方法をご紹介します。
- 団体や自治体に寄付をする
- ふるさと納税で寄付をする
- プロジェクトに寄付をする
里親になること以外にも、離れた地域から動物保護に支援できる選択肢のひとつが、ふるさと納税を通じた寄付です。
各地域や団体が、動物の命を守る活動を行っています。
自分の考えに合った方法を選択し、寄付を行うとよいでしょう。
団体や自治体に寄付をする
1つ目は、団体や自治体に寄付をする方法です。
さまざまな地域で、動物保護に関する活動に取り組んでいます。
寄付にも以下のような種類があり、さまざまな形で保護犬の支援ができますよ。
- 月額で寄付する
- その都度寄付する
- ポイントを利用する
- 日本動物愛護協会カード利用料の一部を寄付する
また、保護犬の飼育に必要な物資の寄付も可能です。
ふるさと納税で寄付をする
2つ目は、ふるさと納税で寄付をする方法です。
ふるさと納税とは、寄付する人が使い道を決められる制度で、自分が応援したい活動を行っている地域を自由に選べます。
返礼品の有無は自治体によって異なるため、必ずもらえるわけではありません。
また、ふるさと納税には、所得税の還付や住民税の控除が受けられるメリットもあります。
ただし、控除上限額が設けられており、この金額以上の寄付を行った場合は、控除の対象にならず自己負担が増えてしまうため注意しましょう。
還付額や控除額の計算式は、以下のとおりです(注5)。
- (所得税還付額)「(ふるさと納税の金額−2000円)×所得税率」
- (住民税控除額)「(ふるさと納税の金額−2000円)×10%」
プロジェクトに寄付をする
3つ目は、プロジェクトに寄付をする方法です。
自治体や動物愛護団体、動物保護団体が、さまざまなプロジェクトやクラウドファンディングを行っています。
立ち上げたプロジェクトは、目標金額を達成すると終了する仕組みです。
寄付の決済方法は、クレジットカード決済や銀行振込で行うのが一般的でしょう。
動物保護のための寄付の手順
動物保護のための寄付は、以下の手順で行います。
- 1.寄付先を探し連絡をする
- 2.自分に合う方法で寄付をする
- 3.必要に応じて税金控除の手続きをする
寄付を初めて行う際は、戸惑うこともあるかもしれません。
今はインターネットが普及しているため、寄付も自宅に居ながら簡単に手続きが可能になっています。
簡単に手続きできるからこそ、寄付先選びは慎重に行いましょう。
寄付先を探し連絡をする
まずは、自分が応援したい取り組みを行っている自治体や団体を探します。
自治体や団体の選び方は、生まれ故郷や応援したい活動など、人によってさまざまです。
寄付先が決まったら、連絡をしてみましょう。
自分に合う方法で寄付をする
寄付先とのやり取りができたら、実際に寄付を行います。
寄付には種類があるため、自分に合う方法を選ぶとよいでしょう。
- 月額で寄付する
- その都度寄付する
- ポイント利用
- 日本動物愛護協会カード利用料の一部寄付
- 必要な物資を寄付する
このように、さまざまな形で保護犬の支援に貢献できます。
➤ 自分に合う方法で保護犬を支援する
必要に応じて税金控除の手続きをする
寄付先によっては、税金の控除や還付が受けられるため、税金控除の手続きをします。
たとえば、ふるさと納税で税金控除を受ける際には、確定申告かワンストップ特例制度のどちらかの手続きが必要です。
確定申告とワンストップ特例制度の違いは、以下のとおりです(注6)。
確定申告 | ワンストップ特例制度 | |
内容 | 税務署に申請して寄付金控除を受ける | 確定申告をしなくても寄付金控除が受けられる |
期限 | 翌年の3月15日まで | 翌年の1月10日まで |
対象 | 寄付先が6自治体以上になった人や、ワンストップ特例制度の提出ができなかった人 | その年の寄付先が5自治体以内の人 |
信用できる動物保護団体の選び方
信用できる動物保護団体を選ぶ際には、以下のことに着目しましょう。
- 寄付金詐欺に注意する
- 資金の使途が明確である
- 活動内容が明確になっている
全国には数多くの動物保護団体が活動しています。
インターネット検索で「動物愛護団体」と入力すると「動物愛護団体 やばい」と出てくることがありますが、それは善意を逆手にとった悪質な団体が紛れているためです。
寄付する際は、事前に信用できる動物保護団体であるかを調べましょう。
寄付金詐欺に注意する
まずは、寄付金詐欺に注意しましょう。
動物のために熱心に活動している団体が多いなか、善意を悪用する詐欺団体が存在する現状があります。
支援したいと思う寄付先を見つけた際は、実在する団体か調べることが重要です。
「ホームページがあるか」「活動実績があるか」など、団体の実態を調べることが信用できるかどうかを見分けるための判断材料になるでしょう。
しかし、なかには実態があるかのように見せかけて詐欺を行う団体も存在するため、検索で実態が確認できても見分けることが難しい場合もあります。
資金の使途が明確である
資金の使途が明確に公開されているかに注目しましょう。
寄付の使途が公開されていないと、実際は動物愛護に活用されていない可能性も考えられます。
そのため、しっかり収支や使途を明記している団体のほうが、活動に透明性があり信用できるでしょう。
活動内容が明確になっている
活動内容が明確に公開されているかに注目しましょう。
日々の活動を写真や動画などで公開されていると、団体の実態が目で見て分かります。
ただし、公開される画像にも注意が必要です。
画像が犬猫の顔のアップばかりだと、飼育環境が見えず実態が把握できません。
仮に保護していることが事実でも、劣悪な環境下で飼育されている可能性があるかもしれないのです。
こまめに活動が発信されていると、忙しいの日々のなかでも保護犬と真剣に向き合っている姿が分かり、安心につながるでしょう。
動物保護のために愛護団体へ寄付しよう!
多くの動物の命を救うためには動物保護が必要であり、それには動物愛護団体の活動が不可欠です。
動物愛護団体の運営や管理にはさまざまな費用がかかるため、動物愛護団体への寄付は大きな支援になるといえます。
寄付を行う際は、信頼できる団体を選ぶようにしましょう。
ピースワンコ・ジャパンでは、保護した犬たち一頭一頭に合わせた環境を整え、人に馴れるためのトレーニングを行い、里親募集を行っています。
今後もこの活動を全国各地にに広げていくためには、大きな支えとなる寄付、ふるさと納税の取り組みも行っていますので、興味のある方は、ぜひご検討ください。