2023年11月15日

「ボランティア」という支援の形

ピースワンコの活動は、皆様のご支援とご協力に支えられています。
ここに改めまして、全国の皆様からの日々の応援にワンコ&スタッフ一同、
心より感謝申し上げます。
さて、その支援にも様々な形があるのをご存知でしょうか。
物資の支援やご寄付のほか、SNSでの「いいね」やシェア、温かい言葉やお手紙、
そしてボランティアという形。その全てがつながってワンコの幸せを紡いでいます。
ウィズコロナの社会となった今、多くの方々がボランティアに参加し、その輪が広がっています。
その先駆けとなった世田谷譲渡センターの取り組みについてご紹介しましょう。

 

ボランティアにできて、スタッフにはできないこと

「ボランティアさんは、私たちにできないことを、たくさんして下さるんです」
世田谷譲渡センターの立崎店長は、こう語ります。
それは一体どのようなことでしょう?
ボランティアさんには、その日のペースに合わせ、次のことをお願いしています。
・お散歩
・犬舎やセンター内の掃除
・ブラッシングなどのケア
・イベントでのお手伝いなど

ピースワンコの犬たちは、人に飼われた経験のない「元野犬」がほとんど。
初めて会う人を警戒してしまいます。
日頃のお世話をしているスタッフには馴れているワンコ達も、譲渡センターを訪れる里親希望者様の前では極度に緊張し、犬舎の奥で震えることもしばしば。でも、犬には順応力があります。
人に接する経験を積むことで犬は変わることができる…スタッフたちはその力と可能性を信じています。
そこで、大いに力を発揮するのがボランティアの存在。通称「ボラさん」です。

譲渡センターにやってきたワンコ達は、少しずつ場所に馴染み、落ち着いてきます。
その頃からワンコ達はボラさんにお散歩してもらったり、
足ふきやブラッシングをしてもらったり、オヤツをもらって嬉しい思いをたくさんしていきます。
実は、これが人馴れのトレーニングになっているのです。スタッフとは別の人がすることに意味があります。
最初はドキドキしていたワンコ達も、やがて状況を「当たり前」のこととして受け入れ、
時にはオヤツを期待し、「人間」に対しての行動に明らかな変化が見えてきます。
いろいろな人と会う。いろいろな人に嬉しいことをしてもらう。
ボラさんがしてくださるその一つ一つの積み重ねがワンコのトレーニングとなり、
人と一緒の暮らしをスタートするための練習になっているのです。

そして何よりもありがたいのは、スタッフたちのサポートをしてくださること。
スタッフは、ボラさんのワンコへの愛と惜しみない協力にいつも感謝しながら、
日々ボラさんに助けられています。時にはイベントでお手伝いいただくことも!

 

ボランティア説明会という工夫

さらに立崎店長は語ります。
「元野犬のワンコは、一般のご家庭で暮らしているワンコとは少し異なる特徴があり、
頭を撫でようとしたり、声をかけたりすると、ちょっと緊張してしまう子が多いんです。アプローチの仕方にコツがありまして…」
そこで世田谷譲渡センターでは、こんな工夫をしています。
ボランティア活動に興味を持たれた方に、まず「ボランティア説明会」にご参加いただきます。
元野犬ならではの気質についてお話しをし、ワンコがどんな気持ちで人間のことを見ているのか、
どのように接したらよいのかをセミナー形式で知っていただくのです。
参加された方の多くは、「そうなんですね、知らなかった。よくわかりました!」とおっしゃいます。
キーワードは「無理をしない」「少しずつ」です。
併せて、ボランティア保険にご加入いただくなど、必要な手続を行い、
皆様が安心して参加できるようにしています。

 

運命の出会い

こんな素敵な出会いもあります。
いつも朝の貴重な時間帯にお手伝いくださるボラさん。以前飼っていた犬が亡くなってから時間が経つにつれ、
またワンコと触れ合いたいと思っていたところ、友人からボランティアのことを聞いたそうです。
「参加してみよう」と一歩を踏み出し、今ではすっかりおなじみのメンバーに。
するとしばらくして、「少し前から、何だか気になっちゃって…」と、あるワンコの里親になることを決断されました。
日々の散歩でワンコの様子をよく知っているボラさん。怖がりな所も、急な動きに緊張してしまうところも、
すべてを受け入れ家族になっていただけるのは、なんてありがたく、そして心強いことでしょう。
今では、久しぶりに家にワンコがいる暮らしに、
「ふと見て、可愛いなと思う存在がいてくれて嬉しくなります」と、話されます。
実は最初にボランティアのことを紹介してくれた友人も、
ピースワンコから保護犬を迎えた里親様だそうで、ここでも素敵なご縁が繋がりました。

 

みんなの力を一つに

ピースワンコの活動は、全国の皆様に支えられています。
ボランティアを含め様々なご支援の先には、一人ひとりの温かな思いがあります。
支援者様もスタッフも、それぞれの立場で、自分にできることをしていく…
それがピースワンコの歩みとなっています。
目指すは「ワンコの幸せのために」、そして「保護犬を取り巻く日本の未来を変えるために」。
今、世田谷譲渡センターでは、大変ありがたいことに100人を超える方達が、ボランティア登録をしてくださっています。
その輪が全国に広がりますように。
ぜひ皆様も、ボランティアという形でピースワンコの支援をしてみませんか?
ボランティア活動に興味を持たれた方は、いつでも気軽にお近くの譲渡センターへお問い合わせください。

広島譲渡センター

福山譲渡センター

生駒譲渡センター

岡山譲渡センター

湘南譲渡センター

世田谷譲渡センター

あきる野譲渡センター

浜松譲渡センター

取材・執筆:黒田潤子
ピースワンコのスタッフとして、譲渡センターに勤務
愛犬は、ピース出身のロース

\ ふるさと納税で支援する /

 

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    目次スイートホームちゃことはな犬のいない散歩なんてコキア色のちゃこはなのお迎え愛すべきギャップ「なんなんだ?」といえる愛 スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。 2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家 […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    目次ひとりからみんなで犬のぬいぐるみと一緒に犬たちにできること東海で最大の取り組みを「静岡のワンコたちも救う」苦労も超えるオープンに向けて ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    目次春雷と愛犬音響トレーニング雷の轟音をやり過ごす方法雨宿りの思い出ずぶ濡れでなぜ悪い犬と暮らせば勇気だって湧いてくる 春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠 […]
  • 卒業4000頭目!「ごーちゃん」卒業!

    2023年10月29日、ピースワンコでは記念すべき卒業4000頭目のワンコ「ごーちゃん」が、岡山譲渡センターから里親様の元へ卒業していきました! 2023年3月14日に保護された「ごーちゃん」は、当時、推定1歳くらいの野 […]
  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。