「ボランティア」という支援の形

ピースワンコの活動は、皆様のご支援とご協力に支えられています。
ここに改めまして、全国の皆様からの日々の応援にワンコ&スタッフ一同、
心より感謝申し上げます。
さて、その支援にも様々な形があるのをご存知でしょうか。
物資の支援やご寄付のほか、SNSでの「いいね」やシェア、温かい言葉やお手紙、
そしてボランティアという形。その全てがつながってワンコの幸せを紡いでいます。
ウィズコロナの社会となった今、多くの方々がボランティアに参加し、その輪が広がっています。
その先駆けとなった世田谷譲渡センターの取り組みについてご紹介しましょう。

 

ボランティアにできて、スタッフにはできないこと

「ボランティアさんは、私たちにできないことを、たくさんして下さるんです」
世田谷譲渡センターの立崎店長は、こう語ります。
それは一体どのようなことでしょう?
ボランティアさんには、その日のペースに合わせ、次のことをお願いしています。
・お散歩
・犬舎やセンター内の掃除
・ブラッシングなどのケア
・イベントでのお手伝いなど

ピースワンコの犬たちは、人に飼われた経験のない「元野犬」がほとんど。
初めて会う人を警戒してしまいます。
日頃のお世話をしているスタッフには馴れているワンコ達も、譲渡センターを訪れる里親希望者様の前では極度に緊張し、犬舎の奥で震えることもしばしば。でも、犬には順応力があります。
人に接する経験を積むことで犬は変わることができる…スタッフたちはその力と可能性を信じています。
そこで、大いに力を発揮するのがボランティアの存在。通称「ボラさん」です。

譲渡センターにやってきたワンコ達は、少しずつ場所に馴染み、落ち着いてきます。
その頃からワンコ達はボラさんにお散歩してもらったり、
足ふきやブラッシングをしてもらったり、オヤツをもらって嬉しい思いをたくさんしていきます。
実は、これが人馴れのトレーニングになっているのです。スタッフとは別の人がすることに意味があります。
最初はドキドキしていたワンコ達も、やがて状況を「当たり前」のこととして受け入れ、
時にはオヤツを期待し、「人間」に対しての行動に明らかな変化が見えてきます。
いろいろな人と会う。いろいろな人に嬉しいことをしてもらう。
ボラさんがしてくださるその一つ一つの積み重ねがワンコのトレーニングとなり、
人と一緒の暮らしをスタートするための練習になっているのです。

そして何よりもありがたいのは、スタッフたちのサポートをしてくださること。
スタッフは、ボラさんのワンコへの愛と惜しみない協力にいつも感謝しながら、
日々ボラさんに助けられています。時にはイベントでお手伝いいただくことも!

 

ボランティア説明会という工夫

さらに立崎店長は語ります。
「元野犬のワンコは、一般のご家庭で暮らしているワンコとは少し異なる特徴があり、
頭を撫でようとしたり、声をかけたりすると、ちょっと緊張してしまう子が多いんです。アプローチの仕方にコツがありまして…」
そこで世田谷譲渡センターでは、こんな工夫をしています。
ボランティア活動に興味を持たれた方に、まず「ボランティア説明会」にご参加いただきます。
元野犬ならではの気質についてお話しをし、ワンコがどんな気持ちで人間のことを見ているのか、
どのように接したらよいのかをセミナー形式で知っていただくのです。
参加された方の多くは、「そうなんですね、知らなかった。よくわかりました!」とおっしゃいます。
キーワードは「無理をしない」「少しずつ」です。
併せて、ボランティア保険にご加入いただくなど、必要な手続を行い、
皆様が安心して参加できるようにしています。

 

運命の出会い

こんな素敵な出会いもあります。
いつも朝の貴重な時間帯にお手伝いくださるボラさん。以前飼っていた犬が亡くなってから時間が経つにつれ、
またワンコと触れ合いたいと思っていたところ、友人からボランティアのことを聞いたそうです。
「参加してみよう」と一歩を踏み出し、今ではすっかりおなじみのメンバーに。
するとしばらくして、「少し前から、何だか気になっちゃって…」と、あるワンコの里親になることを決断されました。
日々の散歩でワンコの様子をよく知っているボラさん。怖がりな所も、急な動きに緊張してしまうところも、
すべてを受け入れ家族になっていただけるのは、なんてありがたく、そして心強いことでしょう。
今では、久しぶりに家にワンコがいる暮らしに、
「ふと見て、可愛いなと思う存在がいてくれて嬉しくなります」と、話されます。
実は最初にボランティアのことを紹介してくれた友人も、
ピースワンコから保護犬を迎えた里親様だそうで、ここでも素敵なご縁が繋がりました。

 

みんなの力を一つに

ピースワンコの活動は、全国の皆様に支えられています。
ボランティアを含め様々なご支援の先には、一人ひとりの温かな思いがあります。
支援者様もスタッフも、それぞれの立場で、自分にできることをしていく…
それがピースワンコの歩みとなっています。
目指すは「ワンコの幸せのために」、そして「保護犬を取り巻く日本の未来を変えるために」。
今、世田谷譲渡センターでは、大変ありがたいことに100人を超える方達が、ボランティア登録をしてくださっています。
その輪が全国に広がりますように。
ぜひ皆様も、ボランティアという形でピースワンコの支援をしてみませんか?
ボランティア活動に興味を持たれた方は、いつでも気軽にお近くの譲渡センターへお問い合わせください。

広島譲渡センター

福山譲渡センター

生駒譲渡センター

岡山譲渡センター

湘南譲渡センター

世田谷譲渡センター

あきる野譲渡センター

浜松譲渡センター

取材・執筆:黒田潤子
ピースワンコのスタッフとして、譲渡センターに勤務
愛犬は、ピース出身のロース

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