愛情込めて接したら気持ちは伝わる

今年8月に新しくなった広島県動物愛護センターには、ドリームボックス(殺処分機)がなく、譲渡対象の可愛い子犬や保護猫がいる明るく綺麗な部屋があります。一方、譲渡が難しい行き場のないワンコたちは別の部屋で保護されています。そこには、あばら骨が浮き出てガリガリにさせた子や、無表情に冷たい瞳でスタッフを見つめる子、多頭飼育崩壊で保護されたのか見た目がそっくりな子、様々なワンコがいます。

引き出しの日、ピースワンコ・ジャパン プロジェクトリーダーの安倍誠は、全く人に馴れず触ることもできない、と職員から聞いていた2頭の野犬がいる部屋に入りました。2頭は部屋の隅で固まり、ずっと震えていて怖がっています。
安倍はゆっくりと少しずつ距離を詰めて近寄っていきました。

「大丈夫、大丈夫。えらい、えらいね」一頭を抱きかかえ、優しく声をかけながら撫でていきます。暫くそうしているとワンコは安心したのか、固まっていた体がリラックスして震えなくなりました。
そして、安倍が降ろそうとしても、膝の上から動かなくなってしまいました。

「野犬はちょっと怖がりで繊細なところがあるけど、愛情込めて接したら伝わるからね。
飼い犬も野犬の子も変わらないから」安倍はそう語ります。

この日に助けだしたワンコは20頭弱。安倍は犬たちをケージに入れながら
「がんばろう、がんばろう。えらいね。ピースワンコに来たからにはもう大丈夫だからね」
と、一頭一頭に声をかけ続けました。

動物愛護センターからピースワンコに来たワンコは名前がないので、最初に名前を付けていきます。
そして全頭、安倍が保定して、獣医師の触診や血液検査などを行います。
暴れるワンコには安倍が優しく声をかけて愛情を注いでいくと、
不思議なことにどんな子もみんな大人しくしてくれます。

動物愛護センターから引き出すときのワンコと安倍の様子、ぜひ動画からご覧ください。

・ピースワンコTV(6分58秒)

私たちの活動をご支援してくださる皆さまのお陰で、これまで4000頭以上のワンコを幸せにつなぐことができました。けれど、保護しても保護しても、動物愛護センターに収容される殺処分対象の保護犬がいなくなることがありません。終わりの見えない保護活動が続いています。現在、ピースワンコでは約2600頭のワンコが暮らしていますが、高齢で譲渡が難しいワンコの数も増えていて、治療費や介護費等の費用がかさんでいます。

ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。活動費の半分は「ふるさと納税」で支えていただいていますが、ご寄付がまだ集まっていません。これからもワンコの命を守る活動を続けていくために「ふるさと納税」からのご支援をよろしくお願いいたします。

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