卒業して1年半。本当の幸せに包まれた「ソウデル」

ピースワンコ・ジャパンが保護するワンコの多くは「野犬」です。中には、元々人と暮らしていたけれど、何らかの理由で野山で暮らして「野犬」になったワンコもいます。

2021年10月10日に広島譲渡センターから卒業した「ソウデル」も、その一頭です。「ソウデル」は、野犬として動物愛護センターに保護されて、2020年12月8日にピースワンコの神石高原シェルターにやってきました。推定2歳でした。

野犬は人に馴れておらず人を怖がる子が多いです。でも「ソウデル」はその逆。毎日お世話するスタッフが「元々飼われていたんじゃないかな?」と思うほど、人懐こい子でした。当時は皮膚状態が悪く、様々な箇所に脱毛もみられたため、スタッフは毎日状態を見ながらケアを行いました。そして、散歩も人も大好きな「ソウデル」は、本当の家族との出会いを繋ぐために広島譲渡センターへとやってきました。

広島譲渡センターにやってきた「ソウデル」はスタッフにもすぐに馴れました。撫でられることが大好きだった一方で、男性や車、他のワンコが苦手であることや、興奮しやすく激しい甘噛みをする一面があることがわかりました。ソウデルにとって、思い出したくない過去があるのかもしれません。

元々人との生活経験がある子たちは、「人」を知っているからこそ、人と暮らしていた時に嫌な体験をするとその経験から学習してしまい、私たち人間にとって望ましくない行動をすることがあります。いわゆる「問題行動」です。ワンコにとっては自分を守るため、表現するためのあたりまえの行動が、人との暮らしにおいては「問題」とされてしまうのです。

私たちスタッフは「ソウデル」の行動と向き合い、広島譲渡センターで様々な経験を積み重ねていきながら、「ソウデル」の本当の家族とのご縁が繋がるのを待っていました。

そんな時、1組のご家族が「ソウデル」に会いに来てくださいました。先代のワンちゃんが虹の橋に旅立たれて悲しみに暮れる中で、「ソウデル」を見つけてくださり、明るい性格や笑顔に惹かれたそうです。そして「ソウデル」の気質や、今後も向き合っていかなければならない課題、すべてを受け入れて「ソウデル」にお申し込みくださり、家族に迎えてくださいました!

卒業して1年半、今でも苦手なことはありますが、他のワンちゃんとドッグランで過ごすこともできるようになりました。毎日たくさんの愛情を注ぎながら「ソウデル」と向き合ってくださる里親様には感謝の気持ちでいっぱいです。
大好きな家族と共に過ごすこと、美味しいご飯、安心して眠れる場所、本当の幸せに包まれる「ソウデル」の姿をお届けします。

一度人に裏切られてしまった過去は、消えることはありません。「ソウデル」がもう一度人を信じ、本当の家族に出会うことができたことを、心の底から嬉しく思います。

里親様、「ソウデル」を家族に迎えてくださり本当にどうも有難うございます。これからも「ソウデル」をよろしくお願いいたします!

 

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