最近はテレビや雑誌など様々なメディアで「保護犬」という言葉をよく耳にしたり目にしたりするようになってきましたね。「保護犬」ってどういう犬のことをいうのでしょうか?
「保護犬」は、何らかの事情で動物愛護センターや民間団体などの施設に引き取られた、飼い主がいないワンコのことです。「保護犬」と一言でいっても、元々飼われていたけれど何らかの理由で捨てられてしまった犬、野生化して野山で暮らしていた野犬、野犬の母犬から生まれた子犬、狩猟用の罠にかかって怪我した犬など、様々なワンコがいます。ピースワンコは「殺処分ゼロ」の実現を目指して殺処分対象の犬たちを保護して新しい飼い主さんを探す活動をしていますが、私たちが保護するのは、ほとんどが野犬の子たちです。
みなさんは「保護犬」と聞いたとき、どんなワンコを思い浮かべますか?
「保護犬っていっても、犬なんだし、すぐに懐いてくれるでしょ?」
「犬なんだから、オテやオカワリ、できるでしょ?」
「もともと野犬だったなら、噛んだり吠えたりするんじゃないの?」
様々な想像をする人がいると思います。考え方は人それぞれですし、ワンコも人と同じように一頭一頭、それぞれ個性があります。
元野犬の保護犬たちは山の中で生活していて、人と接したことがほとんどないので、怖がりな性格の子が多いです。最初はスタッフに対して吠えたり唸ったりする子も少なくありません。
でもそれは、人を知らなかったから、だけなんです。
人はおいしい食べ物をくれる、楽しいことをしてくれる、人と一緒だと温かい部屋で温かいベッドで寝られる、そういったことが分かると少しずつ心を開いてくれるようになります。
「保護犬」の立場を、私たち人間に置き換えてみてください。
人だって、初めての場所や言葉が分からない場所に行くと、緊張するし怖かったりしますよね。周りを警戒して慎重になったり、ちょっとした出来事にもビックリしたりしませんか?けれど、3ヶ月、6か月、1年と生活していけば環境に慣れていき、恐怖心や警戒心もなくなっていきますよね。
「保護犬」たちも同じなんです!
知らない場所に連れていかれ、そこには初めて見る「人間」という生き物がいて、聞いたことがない音や見たことがない物がたくさんあって、警戒心がものすごく強くなってるだけなんです。新しい環境にすぐ慣れる子と慣れるまでに時間がかかる子がいます。1年かかっても、なかなか慣れてくれない子も多いです。
けれど、そういう子たちも一番最初の時に比べると、出来ることが1つ増えていたり、表情が少し柔らかくなっていたり、少しずつ変わっていきます。そういう変化を喜んだり楽しんだりできるのも、「保護犬」と暮らす魅力の一つだと思います。
「保護犬」と暮らしている方たちの中には、
「なかなか慣れてくれなくて本当に大丈夫だろうか?」
「これでいいんだろうか?」
と、悩んでいる方もも多いと思います。そんな時はいつでも!気軽に!ピースワンコの譲渡センターや神石高原シェルターに来ていただければと思います。不安なことも楽しいことも一緒に共有しながら、どうしたらいいかアドバイスさせて頂ければと思います。
そして、「これから保護犬と暮らしたい」「2頭目の保護犬を迎えたい」と思った時も、ぜひお近くのピースワンコの施設に足をお運びください。
「どんなワンコがいるんだろう?」
「どんなふうに接していけばいいんだろう?」
「先住犬との相性はどうだろうか?」
など、いろんな疑問や不安をぜんぶ、スタッフにお聞かせください。みなさんが一歩踏み出せるように、私たちスタッフが全力でサポートします。保護犬と暮らす前だけでなく、暮らした後も困ったことや不安なことが生じたら、一人で抱えたり遠慮したりせずに、ぜひお気軽にご連絡頂きたいと思います。
一人でも多くの人が保護犬と暮らせるように、そして家族の一員となった保護犬と一緒に一人でも多くの人とワンコが素晴らしい時間を過ごせるように、スタッフ一同、心から願っています。