2023年7月27日

家族の一員になるための小さな努力

ピースワンコが保護している子の多くは元野犬です。元野犬の子は「怖がり」「臆病」「人に馴れない」などとよく言われますが、それは外の世界で生き延びるために必要な能力でした。危険察知するアンテナを沢山張っていつでも逃げられるように準備をしてる子や、音や動作に敏感な子ほど、外敵から身を守ることが出来たからです。

音に敏感な子は、人の声もよく聞いています。私たちはその能力を活かして、声掛けをすることで色んな事を理解してもらおうとしています。譲渡センターで暮らすワンコたちが家族と出会って卒業できるように、私たちスタッフが日々行っていることをご紹介します!

初めてのワンコをお世話するとき、最初に「何かを上手にできたことを伝える言葉」「良くなかった行動に対して伝える言葉」を決めます。そしてワンコが行動を取った時に、どちらかの言葉を伝えるようにしています。

スタッフがよく使っている言葉は、「おりこう!」「グッド!」とか、「NO!」「だめ」など、端的で分かりやすい言葉です。褒め言葉を伝える時は、高めの声で明るく。NOを伝える時は、低めの声でゆっくり。なるべく抑揚を付けて伝えると、人の感情を読み取る力を持っているワンコたちは理解しやすくなります。何かを上手にできたときは、褒め言葉と一緒にとっておきのおやつをあげることもポイントです!

ワンコたちは、最初からすぐに理解できるわけではありません。初めてした行動に対して、側にいる人や家族がその行動に対しての言葉をかけてあげることで、「これは良いことだったんだな」「これはダメなことだったんだ…」とワンコが理解して判断できるようになっていきます。そして、ワンコの方から「これは良いこと?悪いこと?」と声掛けを待ってくれるようになっていきます。

譲渡センターで過ごしているワンコとスタッフは、こんなふうにコミュニケーションを取りながら、いろんな経験を重ねて、毎日をアップデートしています。

2023年6月に世田谷譲渡センターを卒業したちょっぴり引っ込み思案だった9歳の雲雀ちゃんは、譲渡に出るまでの3ヶ月の間で、おもちゃ遊びと「マテ」「よし」「おいで」を覚えて自信満々で卒業していきました!年齢関係なく色んな事を覚えることができるということを証明してくれた気がしています。

この子は怖がりさんだから、なるべく音をたてないように…なるべく構わないように…となってしまいがちですが、ただずっと見守るだけでなく日常の中で取り入れられるちょっとしたプラスワン行動をしてあげることで、お互いにより良い関係を築いていけるようになると思います。

これからワンコをお迎えされる方も、現在ワンコと暮らされている方も、何かお困りのことがありましたら、気兼ねなくピースワンコのスタッフに相談して頂ければと思います。皆さまのご連絡、お待ちしています!

 

▽ ワンコを幸せにするために「ワンだふるサポーター」でご支援お願いします。▽

 

 

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    目次スイートホームちゃことはな犬のいない散歩なんてコキア色のちゃこはなのお迎え愛すべきギャップ「なんなんだ?」といえる愛 スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。 2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家 […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    目次ひとりからみんなで犬のぬいぐるみと一緒に犬たちにできること東海で最大の取り組みを「静岡のワンコたちも救う」苦労も超えるオープンに向けて ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    目次春雷と愛犬音響トレーニング雷の轟音をやり過ごす方法雨宿りの思い出ずぶ濡れでなぜ悪い犬と暮らせば勇気だって湧いてくる 春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠 […]
  • 卒業4000頭目!「ごーちゃん」卒業!

    2023年10月29日、ピースワンコでは記念すべき卒業4000頭目のワンコ「ごーちゃん」が、岡山譲渡センターから里親様の元へ卒業していきました! 2023年3月14日に保護された「ごーちゃん」は、当時、推定1歳くらいの野 […]
  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。