保護犬はなつかないと聞き、本当なのか気になっている人もいるでしょう。
保護犬の引き取りを検討しているなら、「なつかなかったらどうしよう」と不安になりますよね。
結論、保護犬だからなつかないとは限りません。しかし、なつくのに時間がかかるケースもあります。
本記事では、保護犬がなつかないと言われる理由や、なついてもらうための対策、引き取る際の心構えなどを解説します。
保護犬が心を開いてくれるか不安な方におすすめな支援方法もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
保護犬がなつかないと言われる理由とは?
保護犬がなつかないと言われる理由は、人への警戒心が強いためです。
保護犬のなかには、人に虐待をされていた犬たちや、元々が野犬で人と触れ合う機会がなかった犬たちも多くいます。
そのような過去を持っている犬たちは、どうしても人になつくまでに時間がかかるのです。
また、虐待経験がなかったとしても、子犬より成犬のほうが警戒心が強い傾向にあります。
保護犬は子犬よりも成犬のほうが多いため、なつかないという印象を抱かれてしまうのでしょう(注1)。
しかし、子犬であれ成犬であれ、保護犬だからなつかないとは限りません。
人間でも人見知りの人がいるように、保護犬でもなつきやすい犬はいますし、少しずつ人に馴れていく犬もたくさんいます。
性格や特徴は犬種によっても異なるのです。
例として、柴犬の特徴を解説した記事をご紹介しますので、参考にしてみてください。
➤ 柴犬の里親になるには!? どんな犬種かもご紹介!
保護犬がなつきにくい人の特徴
すべての保護犬が人になつかないわけではありませんが、保護犬がなつきにくい人もいるのは事実です。
保護犬がなつきにくい人の特徴を以下にまとめました。
- 声が大きい
- 口調が強い
- 動きが大きい
- 体が大きい
- 過剰に構う
- 作業服を着ている
これらに共通するのは、犬を不用意に驚かせ、恐怖心を与える要素がある点です。
なお、上記の特徴がある人は、保護犬に限らずどのような犬にもなつかれない可能性があります。
特に保護犬は、人に怒鳴られたり叩かれたりした経験を持っていることも多く、他の犬よりも過敏に反応します。
また、保護に関わる人が作業服のような服を着ていることもあり、作業服を着た人を見ると、保護されたときを思い出して怖がることもあるのです。
保護犬をなつかせるための対策5つ
保護犬をなつかせるためには、以下5つの対策をしましょう。
- 安心して生活できる環境を作る
- 適度な距離感を保つ
- しゃがんだ状態で近づく
- 愛情表現をする
- 家にいる時間を長くする
保護犬をなつかせるには、信頼を得るのが重要です。
そのためには、保護犬が安心できる環境を整え、嫌がることをせずに愛情をたっぷり注ぐ必要があります。
安心して生活できる環境を作る
まずは保護犬が安心できる環境を作ります。
犬は縄張り意識が強い傾向にあり、特に保護犬は自分のテリトリーを侵害されるのを嫌います。
小型犬なら室内で自由に生活させる人もいますが、保護犬にはケージを用意してテリトリーを守ってあげましょう。
ケージの中にはゆっくりと休めるベッドを置いたり、馴れるまではケージ全体を布で覆ってあげたりすると良いです。
ただし、ケージを置く場所は、保護犬が人間を意識できるように家族が集まるリビングをおすすめします。
適度な距離感を保つ
保護犬とはしばらく適度な距離感を保つことが大切です。
保護犬を迎え入れたら、触りたい、抱っこしたいと思うでしょうが、ぐっと我慢しましょう。
馴れるまでにケージから無理に出そうとしたり、必要以上に構ったりすると、テリトリーを侵害されたと感じて攻撃してくる場合もあります。
警戒心を解くどころか、かえって警戒心を強めてしまう可能性もあるので注意してください。
迎え入れて間もないうちは、ご飯や水をあげる、トイレの掃除をするといったお世話以外ではそっとしておくべきです。
しゃがんだ状態で近づく
お世話をするときにはしゃがんだ状態で近づきましょう。
威圧感を与えないために、姿勢を低く、正面からではなく犬の横から接するよう意識してください。
また、お世話をするときに、保護犬の頭より上に手を出さないように注意しましょう。
叩かれると勘違いする犬もいるので、犬の視界に入る低めの場所から、ゆっくりと手を差し伸べるよう意識してください。
犬の目を凝視しない
犬は目線に敏感になることがあります。
犬の目を凝視しない(目をじっと合わせない)ように心がけてみてください。
馴れない人から目を凝視されると敵意を感じてしまうことが多いので、接する際は注意しましょう。
もし見つめあったときは、別の場所で音を立てるなどし、注意を他にそらしてから、目を離しましょう。
愛情表現をする
保護犬をなつかせるには、愛情表現をするのも重要です。
愛情を持って接すると、保護犬も人を好きになれるでしょう。
たとえば、お世話するときには優しく声をかけると良いです。
適度なコミュニケーションをとれば保護犬に安心感を与えられます。
また、人が手を近づけても警戒しないようになったら、撫でたり抱っこできたりもするでしょう。
段階を経て少しずつ愛情表現を増やしていけば、保護犬との信頼関係を築けるはずです。
家にいる時間を長くする
保護犬が馴れるまでは、家にいる時間を長くしましょう。
迎え入れて間もない頃は、保護犬は不安な気持ちでいっぱいです。
馴れない環境で一人にされてしまうと、ますます孤独感や疎外感を覚えるかもしれません。
また、保護犬のなかにはネグレクトされた経験を持つ犬もいるため、再び飼育放棄されるのではと不信感をつのらせる可能性もあるのです。
そのため、保護犬が新しい環境に慣れるまでは、なるべく家にいるよう心掛けましょう。
保護犬がなついてきた証拠となる行動パターン4つ
保護犬が馴れてきたか、なついてきたかは、保護犬の行動パターンを見ると分かります。
保護犬がなついてきたときに見られる行動パターンは以下の4つです。
- 尻尾を振る
- お腹を見せる
- 舐めてくる
- 寄り添ってくる
これらは人に対する保護犬からの愛情表現でもあります。
それぞれの行動パターンについて詳しく解説しますので、お役立てください。
尻尾を振る
犬の愛情表現でよく知られているのが、尻尾を振る行動です。
お散歩に行けるときや、飼い主が帰ってきたときなど、嬉しさ喜びを表現するのに尻尾を振ります。
尻尾を振って近づいてきたら、抱っこしたり撫でたりしてあげましょう。
ただし、興奮または警戒しているときにも尻尾を振るので、注意深く様子を見るのが大切です。
特に、尻尾を高く上げているときは怒っている状態なので、近づかずそっとしておきましょう。
お腹を見せる
犬が仰向けでお腹を見せるのは、その人を信頼している証拠です。
降参や服従のポーズと言われることもありますが、リラックスしていたり安心していたりするとお腹を見せてきます。
また、「構って欲しい」、「撫でて欲しい」という甘えの行動でもあるのです。
仰向けでお腹を見せてきたら、優しく撫でてスキンシップをとりましょう。
舐めてくる
犬が人の顔や身体などを舐めるのも、愛情表現の一種です。
舐める部位やシチュエーションによって、意味が異なると言われています。
たとえば、顔や口の周りを舐めるのは、信頼し、なついている証拠です。
なお、子犬は母犬が食べて吐き出したものを与えてもらう場合があり、母犬の顔を舐めることで空腹をアピールします。
子犬が人の顔を舐めるのは空腹アピールの可能性もありますが、成犬であれば愛情表現と捉えて問題ありません。
また、手や腕を舐めるのは、甘えているときや何かして欲しいときです。
舐められるのが嫌な場合は、無理にやめさせるのではなく、おもちゃを渡したり遊んだりして、なるべく別のことに興味をひくように誘導しましょう。
寄り添ってくる
犬が寄り添ってくるのは、その人の近くにいたいという気持ちの表れです。
人に寄り添うことで安心かつリラックスしています。
信頼していない相手には寄り添う行動はしないため、犬が寄り添ってきたら信頼関係が築けたと考えて大丈夫です。
寄り添ってきたらそのまま優しく撫でてあげましょう。
保護犬を引き取る際の心構え
保護犬を引き取る際は、さまざまな心構えをしなければなりません。
里親になることで苦労する可能性もありますが、絶対に途中で手放さないでください。
寿命を全うするまで、家族の一員として大切にする覚悟を持って引き取りましょう。
ここからは保護犬を引き取る際の心構えを3つご紹介します。
なつかなくても焦らない
1つ目の心構えは、引き取った保護犬がなつかなくても焦らないことです。
里親に馴れるまでの期間は、一頭一頭大きな差があります。
短ければ数ヶ月、長いと1年ほどかかる場合もあるのです。
長期間なつかないと、焦りから落ち込んだり自分を責めたりする人がいます。
また、無理に距離を詰めてしまうこともあるでしょう。
しかし、犬は人の感情や態度に敏感です
里親が焦ると、犬はますます距離をとってしまう可能性があります。
そのため、「いつかはなつくから大丈夫」とゆったりとした気持ちでいることが大切です。
正しいしつけをする
2つ目の心構えは、引き取った保護犬に対して正しいしつけをすることです。
里親になり、可愛さのあまり甘やかしてしまう人がいます。
また、過去に辛い経験をしている犬も多いため、「しつけするのが可哀想」「叱ったら余計になつかない」と考えることもあるでしょう。
しかし、保護犬だったからといって、しつけをせずに甘やかしてはいけません。
犬を甘やかし続けると、わがまま放題で問題行動を起こすようになる、他人に危害を加えるようになる可能性があります。
そのため、悪いことはダメ、良いことはヨシ、としっかり犬に理解してもらいましょう。
しつけの際は、絶対に声を荒げたり叩いたりせず、いつもより低めの声で少し強めに叱ると良いです。
また、昨日はダメと言ったことを今日はヨシとするなど、一貫性のないしつけは犬を混乱させるのでやめましょう。
保護犬の正しいしつけ方は、下記の記事と動画で詳しく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
➤ 保護犬のしつけは難しい?保護犬のしつけ方と注意点など紹介 ➤ 【しつけ】野犬が普通に暮らせるトレーニングのやり方とは…
逃げるリスクを回避する
3つ目の心構えは、逃げるリスクを回避することです。
引き取った保護犬は、元々野犬だったり、野良犬だったりした期間があり、外に出ることへの恐怖心を持っていない場合があります。
また、保護施設に長くいた犬だと、保護施設に戻ろうとする可能性もあるのです。
隙があれば逃げ出してしまうかもしれないため、逃げ出すリスクを回避しておくべきです。
たとえば、すべての窓をきちんと施錠する、玄関付近には脱走防止の策を付けるなどが効果的です。
また、万が一脱走してしまった場合に備え、迷子札を首輪に付けておきましょう。
保護犬の里親になるのが不安な方におすすめの方法
保護犬を引き取りたいけれど、自分になついてくれるか不安な人は、譲渡実績が豊富な団体を探すと良いです。
また、里親になる以外の選択肢もあります。
里親になることに不安を感じている方におすすめな2つの方法について、詳しく解説していきます。
譲渡実績が豊富な団体から引き取る
保護犬を探す際は、譲渡実績が豊富な団体をあたってみましょう。
譲渡実績が豊富な団体なら、引き取りを検討している人の不安も理解してくれています。
そのため、親身に相談にのってくれて、不安や疑問を解消できるでしょう。
また、保護犬を迎えるにあたって事前にすべきことや、飼育方法などのアドバイスをしてくれます。
サポート体制は保護団体によって異なりますが、ピースワンコ・ジャパンでは譲渡後の相談も受付可能です。
さらに、人に馴れる訓練も行っているため、他の団体から引き取るよりも安心感があります。
ピースワンコ・ジャパンの保護犬たちとの向き合い方を、以下の記事でご紹介しているのでぜひご覧ください。
➤ 人馴れしていないワンコとの関係づくり
ピースワンコ・ジャパンから保護犬を引き取りたいと感じた人は、どのような保護犬がいるかチェックしてみましょう。
➤ 保護犬たちの里親募集サイト
里親になる以外の方法で保護犬を支援する
保護団体に相談してみても、不安が残る場合は違う形での支援を検討しましょう。
里親になるだけでなく、保護団体へ寄付することも立派な保護犬支援になります。
動物保護団体は自治体運営の保健所や動物愛護センターと違い、税金で運営されているわけではありません。
動物保護団体が健全な運営を続けるためには、皆さまからの寄付が必要不可欠です。
動物保護団体へ寄付すると、保護犬の生活や健康を守るために使われます。
里親になって後悔しないか不安な人は、間接的な保護犬支援を検討しましょう。
ピースワンコ・ジャパンの場合、5万人以上が協力している「ワンだふるサポーター」、家族に恵まれないワンコたちを支える「ワンだふるファミリー」という制度があります。
➤ 1日約30円で命を救う|ワンだふるサポーター
➤ 遠方から家族として支える|ワンコワンだふるファミリー
保護犬がなつかないと不安ならボランティアから始めることも
保護犬との接し方に不安がある方は、保護施設などでのボランティアや、気になるワンコのお散歩練習に参加してみるのもよいでしょう。
保護犬との接し方のアドバイスをスタッフから実際にレクチャーしてもらうことで、迎え入れる準備にもなります。
また、気になるワンコがいたら、まずはその施設でその子のお散歩練習から初めることで、その子の性格も少しずつ実感できるでしょう。
なつかない不安が消えないときは寄付による支援も
保護犬だからなつかないとは限りませんが、保護犬は人への警戒心が強いためなつくまでに時間がかかる可能性はあります。
なつかせるための対策も参考にしながら、焦らずゆったりとした気持ちで向き合うことが大切です。
しかし、長い目で見守れる自信がない人、保護犬を引き取るにあたっての不安が消えない人は、無理に里親になるのではなく寄付による支援をおすすめします。
ピースワンコ・ジャパンでは、自分に合う支援方法が選べます。ぜひ選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。