凍死していたかもしれない子犬が…

動物愛護センターへの犬の収容頭数は少しずつ減ってきていますが、いまだ「ゼロ」になることはありません。広島県内の動物愛護センターには、いまも1日3頭ほどのペースで犬たちが収容されています。

子犬たちはスタッフが近づくと、興味を持って近寄ってきてくれました。「怖さ」をあまり知らないからかもしれません。一方で、飢えや外敵・罠などの恐怖がある山で生活していた大人の野犬は、警戒心が強く臆病です。人間を知らないので人が近づくと、震えながら隅に身を寄せて縮こまって少しでも離れようとしたり、怯えながら歯を剝きだして威嚇したりする子も多いです。

人間は敵じゃない、仲間であり家族なんだ、と思ってもらうように、これから私たちが愛情を込めて優しくお世話をしていきます。

雪が吹雪いていた1月のある寒い日、動物愛護センターから保護したワンコの中に、赤い首輪をつけた柴の子犬がいました。年齢は推定3ヵ月くらい。溝に落ちていたところを拾われて保護されたそうですが、後ろ足に疾患がありました。足が悪いのが原因で、捨てられたようです。

この日の最低気温はマイナス7度。発見が遅れていたら凍死していたかもしれません。雪が積もる溝の中にどのくらいいたのでしょうか、四肢の足裏の肉球はふやけており、しもやけになっていました。

柴の子犬は、ピースワンコで「日向(ひゅうが)」と名付けられました。しもやけの治療など、体調を落ち着かせてからレントゲン検査をしたところ、両後肢が「膝蓋骨内方脱臼(パテラ)グレード超4」でした。日程を調整し、今後、手術をする予定です。

こんな幼い子犬が、足が悪いからと捨てられてしまう。本当に考えられない話ですが、この現状を伝えて社会を変えなければいけないと思っています。病気がある犬も野犬も、人間のせいで命を奪られることがないように、全国の殺処分をなくすためにこれからも活動を続けます。私たちの活動の様子、ぜひ動画からご覧ください。

 

※ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。一頭一頭に寄り添ったお世話ができるのも、皆さまのご支援のお陰です。ワンコの命を守る活動を続けていくために、ご支援をよろしくお願いいたします。

\ 命を救い、幸せにするために /

 

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