2024年4月26日

元野犬の保護犬と暮らすヒント~「コネリー」の物語~

どんなワンコも初めての場所では、警戒したり怖がったりストレスを感じてしまいます。特にピースワンコの保護犬は、人と暮らしたことがない元野犬が多いので、家族の一員としてお家に迎えてもらった時、部屋の隅で動かない、ずっと震えている、お水を飲まずご飯も食べない、散歩に連れて行ってもなかなか歩かない、、などといった状態になることが良くあります。

ピースワンコ・ジャパン浜松譲渡センターで里親募集中の「コネリー」も、そんな怖がりなワンコです。

「コネリー」は2022年5月24日にピースワンコに保護された元野犬です。当時推定2ヵ月の子犬でしたが、初めてスタッフに抱っこされたときは控えめに歯がでてしまいました。仲間のワンコと一緒にスタッフに大切にお世話されながら人馴れトレーニングを続け、食べることと遊ぶことが大好きな元気な男の子に成長。2024年3月26日、家族を探すために浜松譲渡センターへやってきました。

浜松譲渡センターに来たとき、環境が変わってお世話する人も急に変わったせいか、元気に遊ぶ「コネリー」の姿はありませんでした。犬舎の隅で固まったり小さく唸ってしまったり。お散歩に行っても怖がって、伏せて動かなくなったり、匍匐前進になったり。スタッフは「コネリー」とたくさん触れ合いたい気持ちをグッと我慢して、先ずは「コネリー」に環境に慣れてもらうことから始めました。

警戒心が強いワンコに対しては、必要以上に「見ない」「触らない」「声を掛けない」が鉄則です。スタッフは「コネリー」に警戒心を解いてもらうために、先ずは新しい環境を観察してもらい、認識してもらうことにしました。そして、たくさん触れ合いたい気持ちもグッと我慢して、触れ合いは1回10分ずつと短い時間を数回作ってあげました。

幸い「コネリー」は食べることが大好き!オヤツを使いながら、少しずつ新しい環境に慣れていってくれました。ワンコの中には、新しい環境に慣れるまでは、ごはんもオヤツも食べない子もいます。食べられない子には、足元にオヤツを置いて離れるだけで大丈夫です。きっとそのうち食べてくれます。

お散歩も同じような感じです。いきなり長い距離を歩くのではなく、短いコースから始めます。「コネリー」と短いコースを歩きながら、最初はゆっくりと周りの環境を観察させてあげました。他の犬がいたり、車やバイクが通ったりするのをただ見ているだけ。そうするだけで、少しずつ「コネリー」の気持ちが落ち着いていきます。「コネリー」は環境に慣れていくにつれ、地面の匂いを嗅ぎ始めたり、しっぽを振ったりしながら楽しそうに歩けるようになってきました。

まだまだ怖いことが多い「コネリー」ですが1週間ほど経つと、部屋でのくつろぎ方や表情が少しずつ変わってきています。他のワンコも「コネリー」と同じように、人に馴れるまでに時間がかかる子も多いと思います。でも焦らずに、毎日少しずつを繰り返して、気長に待ってあげてくださいね。
新しい環境が安心できる場所だ、ということをワンコが分かってくれたら、ちょっとずつ変化が見られるようになっていきます。

※ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。一頭一頭に寄り添ったお世話ができるのも、皆さまのご支援のお陰です。ワンコの命を守る活動を続けていくために、ご支援をよろしくお願いいたします。

\ 命を救い、幸せにするために /

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