犬と暮らしているみなさんは、愛犬の介護で大変だったご経験はありますでしょうか?
ピースワンコの神石高原シェルターには、歳を取って介護が必要になった保護犬や、保護した時から病気で薬や点滴をしなければいけない子がたくさんいます。中には、若いけれど病気になって介護が必要になってしまうワンコもいます。今日はそんなワンコたちや介護のことを紹介したいと思います。
介護が必要なシニア犬のお世話で大変なのは、ごはんを食べさせることです。
神石高原シェルターには、寝たきりの子やご飯を噛めない子、介助がないと自力では食べられない子がいます。そんな子たちにはご飯のあげ方の工夫をしています。
例えば、フードをミキサーにかけてペースト状にしたり、ペースト状になったフードを大きなシリンジに入れてワンコの口の中に少しずつ流しいれたり、スプーンで食べさせてあげたりしています。一気に食べさせてしまうと気道に入ってしまう可能性があるので、ゆっくり少しずつ食べさせてあげます。簡単そうに見えますが、これが意外と難しい…。
薬を毎日、数種類飲んでる子もいます。
そのまま食べてくれる子もいれば、なかなか飲んでくれない子もいます。人が口の中に入れてあげてようやく飲んでくれる子、薬を粉々にしてフードに混ぜると食べてくれる子、歳をとっても美味しいものには目がなくて美味しいチュールなどに混ぜてあげると薬と気づかずに食べてくれる食いしん坊な子。色んな子がいるので、薬を一つ飲ませるだけでも工夫が必要です。
お世話しているワンコの中に、推定3歳の「ナギ」という子がいます。その子は食道の一部が何らかの原因で広がって食道の筋肉が動かなくなり、食べたものを胃に運べずに嘔吐してしまう「巨大食道病」という疾患を抱えています。固形物が食べられないので、スタッフはフードをミキサーにかけてペース状にしたものを用意し、フードが食道から胃にちゃんと運ばれるように、前肢をもって立たせた状態にして食べさせています。一気に食べると消化しきれずに嘔吐する回数が増えてしまうので、出来る限り少量づつ食べるように注意しています。
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食後も嘔吐しないように食道と胃がまっすぐになる姿勢を維持しなければならないので、犬用リュックキャリーに入れてスタッフが1時間くらい背負っています。「ナギ」はおんぶされたまま寝てしまうことも多く、可愛い一面を見せてくれます。病気があってもそれを感じさせないくらい元気な「ナギ」は、スタッフのお家にお泊りしたりするのも大好き。ときどき神石高原シェルターの受付で看板犬も務めてくれます。
犬たちはハンデがあっても、そんなことは気にしません。犬たちは全力で毎日を楽しく生きているだけなのです!目が見えなくても鼻を使って楽しんだり、後ろ足の力が弱くても車椅子に乗って外を満喫したり、その子その子に合わせたいろんな楽しみ方をしています。今を全力で楽しく生きる犬たちって素晴らしいですね!
高齢でも病気があっても、家族が出来たワンコもたくさんいます。心臓が悪い子、目が見えない子、下半身不随で車いすに乗る子など、その子の全てを受け入れて家族に迎えてくれる里親様ができたとき、お世話してきたスタッフにとって感動の瞬間です!
神石高原シェルターにはとても大きなドッグランがあります。保護犬たちはそこでのびのび走り回ったりボール遊びをしたりしながら、生き生きと暮らしています。若い保護犬は人に馴れていなくて人を怖がる子が多いですが、優しくお世話をしていると少しずつ心を開いてくれます。心を開いてくれると、お世話している人にしか見せない可愛い表情や仕草をしてくれます。それがまた一段と可愛い!おじいちゃん犬やおばあちゃん犬は、日向ぼっこをしたりゆっくり外を歩いたり、思い思いにのんびり楽しみながら暮らしています。
みなさんのワンコは毎日どんな楽しみがありますか?
どんなに若いワンコもいずれ必ず歳をとり、介護が必要になってくると思います。そんなときにほんのすこーし、この記事を参考にしてもらえたら嬉しいです!
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