不思議なめぐりあい。里親募集中の「ジエゴ」の物語

「ジエゴ」は、昨年11月から5か月ほど世田谷譲渡センターで家族を探していたましたが、なかなかご縁が繋がりませんでした。家族を見つけるために、4月21日(金)にあきる野譲渡センターへお引っ越しましたが、この度お申し出を頂戴して「相談中」となりました!「ジエゴ」が家族と巡り会うまでの物語、ぜひご一読ください。(2023年4月28日)

ピースワンコ・ジャパン世田谷譲渡センターで里親様との出会いを待っていた「ジエゴ」は、推定5歳7か月、体重14キロの男の子。2017年11月28日に広島県の動物愛護センターから保護されてピースワンコにやってきました。推定年齢2か月だったことから、お誕生日は2017年9月28日となりました。5年後の2022年11月。綺麗な瞳をして凛々しい姿に成長した「ジエゴ」は、満を持して世田谷譲渡センターにやってきました。

実は、世田谷譲渡センターには、「ジエゴ」にとって、不思議な巡り合わせの人がいました。そのお相手が、店長・立崎。

立崎がピースワンコに入団したのは2016年の春。東京の専門学校でドッグトレーナーの勉強をし、入団後は災害救助犬のトレーナーとして従事。翌春、ピースワンコが保護したワンコを一番最初に迎える「検疫犬舎」のチーフを任されることに。


※右から2番目が立崎

そしてその年。まさに「ジエゴ」が保護されてピースワンコにやってきたのです!

ピースワンコに保護されたすべてのワンコは、最初に立崎のいる検疫犬舎に入ります。そこで名前を付けてもらい、健康状態をチェックし、1か月のあいだ経過観察のためここで暮らします。立崎と「ジエゴ」は、この場所で同じ時間を共有することになりました。

ですが、その後「ジエゴ」と立崎は、紆余曲折の運命をたどることになります。

「ジエゴ」は保護された時、推定2か月。それほど時間はかからずに人に馴れ、里親募集を開始してすぐに本当の家族できてもおかしくない状態のワンコでした。

けれど、「ジエゴ」がやって来た2017年頃は、毎月100頭以上のワンコを広島県愛護センターから引き出して、スタッフが必死にお世話をしていた時期。ピースワンコは殺処分数ワースト1位だった広島県で「殺処分ゼロ」をかかげて活動を開始し、2016年4月にそのミッションを達成しました。以来ずっと、現在も「全国殺処分ゼロ」を目指して活動を続けていますが、当時は目の前の処分予定のワンコたちの命を救うことが最優先。幼かった「ジエゴ」の人馴れトレーニングを迅速に進めることが難しい状況で、なかなか本格的なトレーニングを行うことが出来ませんでした。

本格的なトレーニングを開始できたのは2022年初め。好奇心が旺盛な「ジエゴ」は、お散歩トレーニングをするとすぐ上手に歩くことができるようになり、あっという間に上達していきました。

一方の立崎は、保護犬の譲渡活動を生涯の仕事とするために、自分に足りないものは何かと考え、2019年にピースワンコを退団。広島から東京へ転居し、東京の動物病院で看護補佐として病気のことについて学んだり、譲渡に必要なコミュニケーション力を高めるために接客業の仕事に従事したり、様々な経験を積みました。すべては、ワンコのための選択です。そして、2022年の秋、世田谷譲渡センターの店長としてピースワンコに戻ってきました。

同年11月、偶然にも「ジエゴ」が世田谷譲渡センターにやってきたのです!お互いに成長した1人と1頭の5年ぶりの再会でした!

立崎の仕事は、譲渡センターの店長として一頭でも多くの保護犬に新しい家族を見つけること。小学5年生で初めてワンコと暮らしてから、気づいた時にはこの仕事に夢中になっていました。不思議なめぐりあわせの「ジエゴ」にも、絶対幸せになって欲しい、心からそう願っているのです。

「ジエゴ」は、自然豊かな広島県の神石高原シェルターから住宅街の中にある世田谷譲渡センターへと移り、環境の変化のせいか食欲不振になったり、お散歩上手だったはずが音に怯えて歩けなくなったり、人を怖がるようになってしまいます。他のワンコたちが卒業していく中、なかなかご縁が繋がりませんでした。立崎は、「ジエゴ」が少しでも早く環境に慣れて本当の家族が見つかるように、ドッグトレーナーの資格と経験を活かして11月から毎日トレーニングを行いながら「ジエゴ」とのコミュニケーションを深めていきました。

2ヶ月後のある朝。世田谷譲渡センターの6畳ほどのフリースペースで寛いでいるワンコたちの中に、何かを真剣に見つめている「ジエゴ」がいました。

「ジエゴ」の視線の先には、掃除をしている立崎の姿が。 立崎の愛情のこもったお世話とトレーニングを経て、少し時間はかかってしまったけれど「ジエゴ」は人が大好きな甘えん坊のワンコになりました。お散歩もとっても上手にできるようになりました!

そして春になり、「ジエゴ」は世田谷譲渡センターのスタッフのもとで人馴れトレーニングを重ね、譲渡会にも積極的に参加。立崎店長が言った通り、人が大好きないい子に育っています。元野犬のワンコが、人に馴れ、散歩ができるようになり、譲渡会で多くの人に触れ合えるようになる、これは、本当に凄いことなのです。


※赤いバンダナをして譲渡会に参加した「ジエゴ」

それでも、ご縁はなかなか繋がりませんでした。スタッフは「ジエゴ」になんとか家族を見つけてあげたい。そう願い、あきる野譲渡センターへ移動して、新しい環境で家族とのご縁を探すことを決めました

家族が出来たら、「ジエゴ」は家族ベッタリの甘えん坊さんになるに違いない、先住ワンコがいるご家庭でもきっと仲良く暮らせるだろう、そう立崎は確信しています。「ジエゴ」の様子、ぜひ 動画 からご覧ください。

・ピースワンコTV(40秒)

※ピースワンコには「ジエゴ」の他にも、家族を待っているワンコたくさんのいます。ぜひ コチラ のページもご覧ください。

 

この命を消さないために「ワンだふるサポーター」でご支援お願いします。

 

 

おすすめ記事

  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]
  • 終(つい)の住処になるー終生預かりボランティア制度ー

    預かるという選択 ピースワンコに在籍する、約2500頭の保護犬。 その中には、シニアや持病のあるワンコも含まれている。 人に慣れ、体調管理をしてもらいながら、穏やかに暮らす犬たち。 そういった子たちは、人が好きなワンコで […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」という言葉を残した。 今回は、まさに彼の名言を体現したような話を綴りたい。 ピースワンコ・ジャパンは、全国で […]
  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家としての一面も、そんな片桐さんのもう一つの顔だ。保護犬を我が家に迎えること。自分たちが、その子にとっての帰る場所になること。 […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠していた地中の虫たちが目ざめるという理由で「虫出しの雷」という呼び名もあるそうだ。 なにかがはじまるような雰囲気で、嫌い […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。