私たちは広島県の要請を受けて、定期的に動物愛護センターから殺処分予定の犬たちを引き出して保護し続けています。私たちが保護する犬のほとんどは野犬です。広島は温暖な気候で野犬が隠れる山があり、街や人里もあるので食べ物が豊富。栄養状態が良くなると繁殖を繰り返すため、動物愛護センターに保護される野犬はなくなりません。
保護される野犬の中には、トラバサミやくくり罠といった狩猟用の罠にかかって、大怪我をしている子もいます。2月28日の引き出しの日、保護した15頭のうち、3頭の野犬がくくり罠にかかって脚を怪我をしていました。一番ひどい状態の子は、右前肢の深い傷で脚が2倍に腫れあがっています。
くくり罠は無差別に仕掛けられているので、野犬たちも無差別にかかってしまい、瀕死の状態で保護されることも少なくありません。中にはもがき苦しんで自分の足を嚙みちぎる子もいます。
大怪我をしているこの子は「ハイビル」と名付けられ、ピースワンコの神石高原シェルターで獣医師の診察を受けました。治療中も脚が痛いはずなのに、処置されていることが分かるのか、暴れたりせずじっとおとなしくしています。
「この子は助けてもらっている事を分かっていますよ。痛いところを治してくれているのを分かっている。めちゃくちゃいい子。えらいなあ。」ピースワンコ・ジャパン・プロジェクトリーダーの安倍誠は撫でながら声を掛けます。
「ハイビル」は怪我の状態が酷く、脚を切断する可能性もありました。けれど獣医師の判断で、脚を切らず壊死した部分を切り取って皮膚を寄せて縫合する手術をし、経過観察をしています。
「ハイビル」が脚を失わないですんだのは、ピースワンコの活動を支えてくださっている皆さまのお陰です。本当にありがとうございます。皆さまの想いと共にこれからも最善を尽くします。「ハイビル」の様子、ぜひ動画でご覧ください。
・ピースワンコTV(6分8秒)