2021年10月12日にピースワンコへやってきた「クリタケ」は、当時推定年齢8ヶ月半位の野犬の男の子。人が怖くて、人が近付くだけで敏感に反応して、吠えながら歯を剥きだして警戒する子でした。
元野犬の保護犬たちは、人間と接したことがない子がほとんどです。保護されてから初めて私たち人間との暮らしが始まるため、人間の姿だけでなく音や光、私たちにとって普通のこと全てが、彼らには恐怖の対象となってしまいます。怖くて固まってしまう子もいれば、「クリタケ」のように身を守るために歯を剥いて威嚇してくる子もいます。そのため、人馴れトレーニングは慎重に、丁寧に行う必要があります。
人が近づくだけで興奮する「クリタケ」。人馴れトレーニングでスタッフが触ろうとすると、歯を剥きだしながら吠えて威嚇してきます。「クリタケ」の警戒心を解くため、ケージの側でスタッフが30分ほど一緒に過ごしますが緊張感は緩まりません。触ろうとすると「クリタケ」の歯が当たってしまいました。
それから更に40分後。やっと落ち着いてきたので、スタッフは慎重に「クリタケ」に触れていきます。そしてハーネスを装着!頑張ってくれたので、この日のトレーニングはここで終了です。
2週間後、「クリタケ」はおやつトレーニングに挑戦。おやつを食べるために、自分から人に近づくことができました!訓練開始から2ヶ月後、リードを付けるのも上手になり、人とボールで遊ぶことを覚えてきました。
そして約3ヶ月後。訓練を繰り返した結果、前よりすごくフレンドリーで明るくなり、人を噛むことや怖くて唸ったり威嚇する事もだいぶ減り、「クリタケ」は笑顔になっていきました。
「咬む犬は危険」「人には馴れない」と決めつけて諦めていたら、「クリタケ」の笑顔は見られませんでした。
人に馴れない犬はいません。どんなワンコも愛情と時間をかけてお世話をすれば「クリタケ」のように変わってくれます。「クリタケ」の様子、ぜひ動画からご覧ください。
・ピースワンコTV(7分16秒)