「犬の全国殺処分ゼロ」へのチャレンジ、一歩、前へ

目標をいつも胸に

  

目の前のことに、精一杯になっていると、ふと、忘れてしまうことがある。
私たちの目指すものは?

2023年秋、その目標へ、ついに、踏み出した。

10月某日、ピースワンコのプロジェクトマネージャー安倍誠が向かっていたのは、
広島県愛護センターではなく、岡山市の池田動物園の一角にある「ZOOねるパーク」。ここは、岡山市が開設したワンコのトレーニング施設だ。

「岡山市に、中々、譲渡に繋がらない子がいると聞いたので、今日は、そこへ向かっています。
ピースワンコが、1頭引き受けることで、岡山で活動されている保護団体さんや
個人の方たちの負担が少しでも減れば嬉しい。」
と、安倍は言う。

ピースワンコ・ジャパンは、2013年当時、犬の殺処分数が、
全国でワーストだった広島県での殺処分ゼロを目指し、保護活動をスタート。
これまで、広島県神石高原町のシェルターを拠点とし、関東、東海、関西エリアに、
保護犬と出会える場所として、8カ所の譲渡センターをオープン、
これまで、約4000頭の保護犬を新たな家族のもとへ繋いできた。

その後、全国犬の殺処分ゼロを目標に掲げてきたものの、
広島県に収容された殺処分寸前の犬たちを救うことに精一杯で、
他のエリアのワンコたちを救うという取り組みに、なかなか踏み出せていなかった。
そして、10年が経った2023年、スタッフの「ワンコを幸せにしたい」という願いと共に、譲渡が進み、
シェルターで暮らす犬たちの数も徐々にではあるが、減り始めている。

安倍が動いたのは、そんなタイミングだった。

 

広島以外での活動をスタート

岡山市にあるワンコのトレーニング施設「ZOOねるパーク」は、
かつて、岡山市保健所が委託した保護犬の管理場所だった。
岡山市では、毎年、200頭以上が保護されるが、野犬が多く、譲渡が中々進まなかったという。
その状況を打破するため、2020年8月から、訓練士やボランティアに呼びかけ、野犬の人馴れトレーニングを開始、
譲渡活動に積極的に取り組み、3年間で57頭を新たな家族へと繋いできた。
そのボランティアの一人、西坂さんは、ピースワンコ・ジャパンの出身。岡山譲渡センターで1年半勤務、
現在は、地元倉敷市で、ペットホテルを運営しているが、保護犬を救うための活動をライフワークとして続けている。そんなご縁が、今回のことへとつながった

ZOOねるパークの犬舎には、常時10頭ほどのワンコが生活している。
西坂さんが、紹介してくれたのは、推定生後9か月の女の子、ルビー。
4ヶ月ほど前に、野犬として保護され、ここで、人馴れトレーニングをうけながら、
里親さんを探していたが、ご縁がなかったそう。
ここでは、例え、人に馴れても、家族が見つからず、施設での暮らしが1年以上、続いてしまうことが課題だという。

「可愛いねえ」
「すごい!おやつを初めての人から食べられるなんて」
「すごい状態がいいですね」
普段、広島県の愛護センターに収容される野犬を引き出している安倍は、
ルビーの状態に感心しきり。

岡山市にとっても、1頭、保護団体が引き取ってくれれば、新たに1頭の人馴れトレーニングを行うことができる。
それによって、新たな家族のもとへとつながる可能性が高まる。

 

新たな一歩

手続きをすませ、いよいよ、ピースワンコ岡山譲渡センターへ。
新たな家族を、ここで探すことになる。
早速、お散歩へ
ルビーにとって、初めての階段は、おそるおそる・・・

岡山市のワンコの殺処分数は、2019年度以降、ゼロが続いている。
その陰には、市に協力し、保護活動を献身的に続けてきた団体や個人の方が数多くいる。
その輪の中へ・・・
ルビーという1頭のワンコと共に、新たな一歩を刻む

全国の犬の殺処分ゼロへ!
これからも、大きな目標を胸に、ピースワンコは、歩み続ける。

それから、2週間・・・
岡山譲渡センターから、嬉しいニュースが、届いた
「ルビーに、新しい家族との出会いがありました!」
そして、素敵な卒業写真も

おめでとう!そして、よろしくお願いします!

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