病気の老犬「プラット」の犬生を変えた奇跡

2023年2月14日、一頭のトイプードルが殺処分寸前のところ、ピースワンコに保護されました。推定13歳のおじいちゃん犬「プラット」です。重度の歯周病で口の中がボロボロ。歯もありません。痛みはないようでしたが、歯周病の影響で下顎の骨が溶けて真っ二つに割れており、硬い物は食べられない状態。検査したところ、心拡大や僧帽弁閉鎖不全症、甲状腺機能低下症など様々な病気も抱えていました。

推測でしかありませんが、病気のせいで捨てられたのかもしれません。保護したその日から、スタッフの懸命な治療が始まりました。病気と高齢のせいか、里親希望のお声がかかることはなく、9ヶ月が過ぎようとしていたある時。「プラット」に新しい家族との運命的な出会いが起きました。

奇跡の出会い

「プラット」に声をかけてくださったのは、北海道札幌市の動物病院。「プラット」が保護された7か月後にピースワンコへやってきた、チワワの老犬「エア」に会いに広島まで来てくれた際、“ 2頭、家族に迎えたい ”と「プラット」にもお申し出を頂戴したのです。「エア」も重度の腎不全や心臓病など様々な病気を抱えており、「プラット」と一緒に闘病生活を送っていました。

けれど、当時すでに「エア」の体は限界でした。それでもなぜか、この日だけは少し元気でした。「エア」はお申し出を頂いた直後、まるで「プラット」を託すことができて安心したかのように、虹の橋を渡っていきました。享年13歳でした。

「エア」が繋いでくれたご縁

2023年11月28日、「プラット」は「エア」が繋いでくれた家族の元へ卒業していきました。現在「ぷー」と呼ばれて、とても可愛がっていただいています。

『「エア」がいなかったら、この子と出会っていませんでした。きっとあの出会いはこの「ぷー」との出会いのためにあったんだなと。「エア」が繋いでくれたご縁だと思っています 』

『初めて保護犬と暮らして、犬との生活をイチから自分たちが作っていくというより、元々あったものがどこかで崩れて保護犬になったワンちゃんがうちに来た時に、そこから新しい“犬生”が動き出すのを感じて感慨深かったです』

里親さまは、そう語ってくださいました。

幸せのカタチ

『ベッドで「ぷー」が寝ている姿を見て、幸せが落ちてる、という気がしたんですよ。犬のカタチをした幸せがそこにいて。幸せって“感じるもの”だと思っていたけれど、カタチが存在するんですね。毎日が“特別”な感じです』

里親さまの深い愛情につつまれて、とても幸せそうな「プラット」。私たちはこれからも、一頭でも多くのワンコを「プラット」のように幸せにするために、活動を続けます。「プラット」の様子、ぜひ動画からもご覧ください。

⇒ ピースワンコTV(7分57秒)

※ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。一頭一頭に寄り添ったお世話ができるのも、皆さまのご支援のお陰です。ワンコの命を守る活動を続けていくために、ご支援をよろしくお願いいたします。

\ワンコを幸せにするために、2分でできること/
ふるさとチョイスページへのボタン画像です

[no_toc]

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]
  • 終(つい)の住処になるー終生預かりボランティア制度ー

    預かるという選択 ピースワンコに在籍する、約2500頭の保護犬。 その中には、シニアや持病のあるワンコも含まれている。 人に慣れ、体調管理をしてもらいながら、穏やかに暮らす犬たち。 そういった子たちは、人が好きなワンコで […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」という言葉を残した。 今回は、まさに彼の名言を体現したような話を綴りたい。 ピースワンコ・ジャパンは、全国で […]
  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家としての一面も、そんな片桐さんのもう一つの顔だ。保護犬を我が家に迎えること。自分たちが、その子にとっての帰る場所になること。 […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠していた地中の虫たちが目ざめるという理由で「虫出しの雷」という呼び名もあるそうだ。 なにかがはじまるような雰囲気で、嫌い […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。