年々減少傾向にはあるものの、動物愛護センターや保健所で捕獲された後、殺処分される犬は後を絶ちません。
そんな殺処分される犬たちを1匹でも救いたいと、引き取りを考えている人もいるのではないでしょうか。
今回は、犬の殺処分についてと、殺処分される犬の引き取り方法を解説。
引き取りは難しい、という人にはその他のやり方で手助けする方法もご紹介します。
犬の殺処分について
犬の殺処分にかわいそうなイメージを抱いていても、具体的にどういった背景があるのか知らない人も多いのではないでしょうか。
こちらでは、どのような施設がどのような犬に対して殺処分を行うのか、犬の殺処分の背景について解説します。
動物愛護センターなどで保護される
今後殺処分対象となるかもしれない犬たちはまず、動物愛護センターや保健所などで引き取られ、保護されます。
引き取り対象の犬は例えば、野良犬や放し飼いにされている犬です。
これらの犬は、狂犬病や傷害などによる被害の防止を目的として捕獲されます。
動物愛護センターや保健所は人々の安全のため、通報や依頼によって犬を捕獲する義務があるのです。
その他にも、飼い主の事情によって飼育が放棄された犬なども引き取り対象となっています。
野良犬が減少した現在、こちらが問題視されることが多くなりました。
保護された犬が殺処分されるまで
狂犬病予防法によると、収容から2日間が経過した犬は殺処分対象となりますが、「収容後〇日までに殺処分しなければならない」という決まりはありません。
そのため、1週間以上保護したり、飼育し続けたりする動物愛護センターも存在します。
しかし、保護した犬を飼育し続けるのにはある程度の予算が必要となるため、予算や人員が足りない所では殺処分を余儀なくされます。
現在、殺処分方法の多くは炭酸ガスによる窒息死です。
これは、殺処分される犬にとって大きな苦痛をともないます。
他の方法として注射による安楽死もありますが、予算がかかることと担当獣医への精神的負担が大きいことから、未だ多くは利用されていません。
殺処分される犬を家族として引き取るには
殺処分を余儀なくされる犬を1匹でも救うため、動物愛護センターなどで保護されている犬を飼いたい、引き取りたい、と思う場合はどうすればよいのでしょうか。
こちらでは、殺処分されるかもしれない犬の引き取り方法を解説していきます。
保護施設や譲渡センターの情報を得る
犬を保護している動物愛護センターや保健所で、犬の引き取りを募集している場合があります。
その他にも、殺処分される予定の犬を引き取って希望者に譲渡する活動を行っている団体や企業も存在します。
殺処分される犬の引き取りを希望するなら、まずはそういった施設のホームページなどから情報を得るのがおすすめです。
多くは、引き取り方や引き取るための条件についても詳しく解説されているため、十分参考になるでしょう。また、犬の写真や名前を掲載しているところもあります。
申込手続きを行う
情報収集をして、犬をどこから引き取りたいか決まったら、申込手続きをしましょう。
ホームページの申込フォームや申込書の郵送により手続きが始められる施設もあれば、事前に講習を受ける必要がある施設もあります。
引き取り手順の概要をしっかり把握しておきましょう。
また、「譲渡会」や「里親会」を開催しているところもあります。
引き取り先を募集している犬と対面できたり、引き取り手順や飼い方について直接質問できたりするため、手続きに関して不安がある人などにおすすめです。
面会や家庭訪問
申込手続の完了後、犬との面会や担当者による家庭訪問が行われます。
希望条件に合った犬と実際に面会してみて、犬の性格や犬種、年齢などが自分の希望に合っているかなどを確認しましょう。
担当者による家庭訪問は、引き取り手が犬にとって安全で快適な環境を用意できるか、飼育放棄しないか、などを審査するために行われます。
譲渡施設によっては、家庭訪問前にケージなどをあらかじめ用意しておく必要がある場合もあります。
犬を引き取り飼育するためには、施設の指定する条件を満たさなければいけません。
飼育意志だけでなく、年齢や居住地区、家族の合意など引き取り条件は多岐にわたるため、施設の情報を参考に、自分に引き取りの資格があるかどうかをしっかりとチェックしておきましょう。
引き取りの完了
審査に通り、面会で希望の犬が見つかれば晴れて引き取りは完了します。
ただし、施設によっては1~2週間トライアル期間をもうけている所もあります。
実際に飼ってみると大変だった、などの理由で犬が再び放棄されてしまうのを防ぐためです。
また、引き取り時にはマイクロチップの埋め込みや医療費などにかかる数万円を施設へ納めなければならない場合がほとんどです。
殺処分予定の犬の引き取りは、決して犬を無料で手に入れられる手段ではありません。
犬を大切な家族として受け入れる自覚をしっかりと持ち、責任を持って引き取りましょう。
犬が飼えなくても殺処分の犬を救う方法
犬の殺処分に胸を痛めていても、事情があって引き取りができない人は多くいます。
こちらでは、殺処分される犬を引き取る以外で救う方法をご紹介していきます。
支援金を送る
まず、犬を保護している施設へ支援金を寄付する、という方法があります。
殺処分される犬を施設で預かったり、引き取り手を探したりするには飼育代や人件費などのお金がかかります。
寄付することによって施設の存続を手助けし、殺処分されるかもしれない犬を間接的に救えるのです。
また、ピースワンコではふるさと納税を利用した寄付や、物品による寄付も受け付けています。
少額から寄付できるところや、月々決まったお金を定額制で寄付できるところ、銀行振り込みやカード払い対応可能なところなど、施設によってさまざまな寄付方法が用意されているため、自分に合った寄付方法を選びましょう。
ボランティア活動に参加する
殺処分の犬を減らす活動をしている施設に、ボランティアとして参加するのもおすすめです。
犬の世話や引き取り手を見つける活動、資金集めには人件費がかかります。
労働力を提供することによって、殺処分される犬を救う手助けとなります。
ボランティア募集は、各施設のホームページや新聞広告などで見られるので、自分の協力できそうな場所や時間が掲載されている募集記事を探してみてください。
殺処分される犬を減らすために私たちにできること
今回は、犬の殺処分について解説するとともに、殺処分される犬の引き取り方法を紹介しました。
そして、引き取りが難しい人でも殺処分される犬を救う方法もご案内しました。
年々減ってはいるものの、なかなかゼロにはならない犬の殺処分。1匹でも殺処分される犬を救うために、ピースワンコは引き取り手募集活動を積極的に行っています。
また、ふるさと納税を利用するなどの幅広い募金活動や、ボランティアの募集なども行っています。
是非自分に合った支援方法をご利用ください。