今年1月末のある凍てつく寒さの日、動物愛護センターから行き場のない15頭のワンコを引き取りました。その中に人が近づくたびに威嚇するように吠えていた、赤い首輪をつけたワンコがいました。
元の飼い主から所有権放棄され、動物愛護センターに収容されたワンコです。これまで人間に何をされたのでしょうか。近づく人間の一挙手一投足に怯えながら食い入るようにじっと見つめ、歯を剥きだしながら吠えるその姿は普通ではありません。
「初めての場所で警戒するのは当たり前。さっきは唸りまくっていたけど、怖かっただけ。優しい顔をしているので、この子は吠えるような子じゃないと思います。棄てられたワンコたちには、色んな経緯があると思います。でもみんな根はいい子です。」
赤い首輪をしたワンコの様子を見守りながら、ピースワンコ・ジャパン・プロジェクトリーダーの安倍誠はそう語りました。
ピースワンコの神石高原シェルターにやってきたこの子は、「カルパス」という名前を付けてもらいました。先ずは健康状態を万全にして、里親様をみつけるためのトレーニングを始めます。
それから2週間後。動物愛護センターで吠え続けていた彼はいませんでした。表情が穏やかになり、しっぽを振りながら「お座り」をして、スタッフの手からおやつを食べられるようになっていました。愛情を込めて接すると、たった二週間でこんなにも変わります。
もう一回、今度は最後まで、愛情込めて接してくれる優しい飼い主さんのもとで暮らせますように。「カルパス」の様子、ぜひ動画でご覧ください。
・ピースワンコTV(5分10秒)