2023年6月7日

ピースワンコで18歳を迎えた保護犬3兄妹 最期まで、ここで暮らすということ・・・

写真:ピースワンコ最高齢の3兄妹。
左からブライ、バーバラ、リゼロッタ

ピースワンコには、御年18歳になる、とびっきりのご長寿も暮らしています。人間でいえば双子のご長寿、金さん銀さん姉妹のように(昭和世代には、分かりますね)仲良く3兄妹で寄り添い合う、ブライ・バーバラ・リゼロッタです。
もちろん、ピースワンコの最高齢。写真をご覧いただければお分かりのように、毛色は微妙に違うのですが、ちょっとしたしぐさなどがとてもそっくりです。

●高齢兄妹が保護された理由…

この3兄妹は、2019年に広島県の動物愛護センターに収容されていたところを保護しました。
当時、既に15歳。中型犬の平均寿命は、13歳ほどですから、その時点でも既に、ご長寿だったということになります。
その15歳という時に、3頭は飼い主から飼育放棄されて愛護センターに。このままだと殺処分になってしまうことから、ピースワンコが保護したのです。ブライ、バーバラ、リゼロッタという名前も、保護後に名付けました。

 

●保護前、3頭とも「気性難」という情報も

保護する際に、愛護センターの職員から「3頭とも気性が難しく、攻撃性もあるので、要注意の子である」と言われたそうです。そのため、職員が扱いやすいようにと、愛護センターの檻の中でリードが付けられたままだったといいます。

ピースワンコに来てからも、犬舎は兄妹一緒。他の犬は、一切受け入れない気の強さがありました。中でもバーバラは、夜中になると犬舎から脱走しようと大暴れし、スタッフが出勤すると、柵に挟まっていたこともあったといいます。お散歩させるのでさえ、苦労したそう。 とはいえ3兄妹は、既にその時15歳。年々、年老いて行く姿を、スタッフは見守ってきました。

●老犬ブライ。前庭疾患を抱えても、安心して暮らせるように

去年春、ブライは、前庭疾患によって体が傾く症状が強く出始め、歩くのにも支障があったため、オレンジ犬舎に引っ越すことになりました。

オレンジ犬舎では、持病があるワンコ、障がいがあるワンコ、そして、高齢のワンコたちが、暮らしています。スタッフが愛情をこめて投薬をしたり、介護をしたりと、日々特別なワンコのお世話をする施設です。スタッフが、ここで暮らすワンコの家族になる。そして、お別れの日まで共に・・・。ここは、看取りが多い場所でもあります。

●オレンジ犬舎での暮らしから1年

ブライは、すっかり温厚で大人しいおじいちゃんに。白内障で目も殆ど見えていないようです。一度、呼吸が弱くなり、酸素室に急遽、入ることもあったといいます。それでも、お散歩が大好き。スタッフが補助しながら、ゆっくりと歩きます。

そして去年秋には、バーバラとリゼロッタも、オレンジ犬舎に移りました。ちょうどその頃、リゼロッタには、癌が見つかりました。
リゼロッタは現在、おしっこが自力でできないため、スタッフが1日に数回、お腹の管からチューブを入れ、おしっこを吸い出します。お世話を通して長い時間を人と過ごすようになり、人のやさしさを知り、すっかり甘えん坊になりました。

4年前に保護された当初から、この3兄妹を知っているスタッフには、実は驚いていることがあります。
それは、あの気が強い暴れん坊のバーバラが、オレンジ犬舎ではどんどん心を許し、今では、お腹を見せて甘えるような姿を見せていることに・・・「きっと、一緒に過ごすリゼロッタが、人に優しくお世話をされる様子を見ていたから、心を許したのかな」と、そのスタッフは言います。

●ワンだふるファミリーに、ブライが仲間入り。

そしてブライは、ワンだふるファミリーとしても、たくさんの家族に支えてもらってもらっています。ブライは、ワンだふるファミリーホームページで、こんな自己紹介をしています。

私の名前はブライと申します。2019年にここピースワンコへやってきた、18歳のおじいさんワンコです。
白内障、発作、腎数値上昇、関節炎、前庭疾患などなど、いろんな病気を持っていますが・・・心配ご無用! 少しふらつきながらも、草花を眺めたり、暖かい日差しを浴びながらお散歩するのが大好きです。
自分で言うのもなんですが、性格はおっとりしていてのんびり屋。どんな相手とも仲良く過ごすことができるし、若いワンコたちを年上らしくおおらかな気持ちで見守りたいと思っています。
特技はどんな場所でも寝られること。ついグーグーとイビキをかきながら寝てしまいます。
高齢の私ですが、まだまだ元気! みなさんの応援にこたえて、長生きしたいと思っていますので、どうぞサポートをよろしくお願いいたします。

オレンジ犬舎のスタッフは、年を取り、様々な病気を抱えながらも、3兄妹が毎日楽しそうに暮らし、でも懸命に、お散歩をしたり仲良く戯れている姿に、むしろ自分も頑張ろうと力をもらうといいます。
そして何より、例え家族が見つからなくても、自分たちが家族として、どんなワンコも幸せにする。そんな思いを込めて、お別れのその日まで、共に暮らしたいと願っています。

ブライ、バーバラ、リゼロッタの様子をYoutubeチャンネル「ピースワンコTV」でもご紹介しています。ぜひご覧ください。

▼Youtube動画(6分)

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