【令和6年能登半島地震 ペット支援】預かりワンコを再び、浜松譲渡センターにて受け入れました。これからも、被災された皆さまとワンコに寄り添い続けます。

ピースワンコ・ジャパンは、1月1日に発生した能登半島地震で被災された方々と、その大事なご家族であるペットへの支援をしています。現地では自治体や他団体と連携し、手分けして避難所を回っていました。
活動を続けていた3日目に、珠洲市の避難所で出会った飼い主さまよりご連絡をいただき、ワンコの預かりのご相談を受け再度おうかがいすることになりました。

こちらの避難所は、小高い丘陵地に位置しており安全が確認された所でした。もともとは福祉施設として運営され、地域行事の中心地となっていた場所でした。この施設の入口の広い玄関で、飼い主さまと黒柴のワンコが避難生活を送っておられました。

ワンコはとても人懐っこく、スタッフを見るとすぐにじゃれて甘えてきてくれる明るい子でした。多くの人が集まる避難所では、アイドルとしてみんなに可愛がられているとのこと。飼い主さま曰く、被災する前もご自身のお店の看板犬としてお客さんに愛されてきたそうなのですが、今もみんなを笑顔にしてくれる存在なのだそうです。

 

しかしワンコの飼い主様は、長年続けてこられたお店と住む家も被災してしまい、今後の生活をどう立て直していけばいいのか、まだまだ見通しの立たない状況に迷っておられました。
一時的な避難として金沢への移動を考えていたものの、車も失ってしまいワンコの負担も考えたときに、一緒にいたいという思いはありつつも、一旦預かってもらって生活を立て直した方が良いのではないか、と今後の選択にとても悩まれていたようでした。

先日スタッフがお話をうかがった時に、「お気持ちが決まられて、もし支援が必要があればいつでもご連絡くださいね」と連絡先を伝えていたところ、数日後にお電話をいただいたかたちでした。

「まだ目途が立たないので何とも言えないのですが、1ヵ月か2ヵ月か…しばらく預かってもらえませんか?でも、3ヵ月以内には迎えに行きたいと思っています」と話されました。金沢へ避難することを決断されたそうです。
そのお気持ちを受け、このワンコを一時的にお預かりすることが決まりました。

雪が降り続くお迎えの日、飼い主さまはワンコが避難所で寝る時に使っていた毛布や、ご飯を食べる時に使っていたお皿など、これまでと同じ環境を作ってあげられるようにと、持っておられた全ての備品を託してくださいました。

「この子はどこでも大丈夫!ちょっとの間だから平気だよ」と、飼い主さまはワンコとスタッフの背中を押すように明るく声を掛けてくださいましたが、心中にはきっと色んな不安や葛藤があったのではと思います。
手を振りながら、車がしばらく見えなくなるまで見送られていました。

珠洲市から金沢までの道のりは約5時間、その後はピースワンコの浜松譲渡センタースタッフがワンコを引き受け、浜松へと搬送していきます。4歳の男の子、元気いっぱいなワンコですが、長距離の移動は体調や様子を見つつ、休憩を挟みながらの移動です。

そして譲渡センターに着いたのは、夜9時過ぎ。ワンコはここでも人懐っこさを発揮し、初めての環境にも物怖じせず、スタッフにも可愛い笑顔を振りまいてくれました。
翌日には、動物病院での健康チェックを行いましたが問題もなく、無事にセンターでの生活がスタートしました。
これからは、飼い主さまにご安心いただけるように、この子の様子をご報告しながら、またお迎えのお声がかかる日までお待ちしたいと思います。

これまでにもたくさんの方々のご状況とお話をうかがってきましたが、本当に様々な想いを抱えながら、毎日の避難生活を生き延びて前を向こうとしておられます。これからも被災された皆さまとそのご家族であるペットに寄り添ってゆければと思います。

 

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