2024年5月31日

運命の出会い。可能性を引き出してくれたのは2頭目の姉妹犬~「ピース」の物語~

※里親さまご提供写真(左:「アネモネ」、右:「ピース」)

 
初めて保護犬を迎えたとき、想像していたのと違う生活になって「大変だ」と感じる方も多いですが、日々、成長していくワンコの姿を見ながら「もう1頭、きょうだいのような存在がいたら、もっと楽しく暮らせるかもしれない」と考えて、2頭目を迎えられる方もおられます。
 
ピースワンコ・ジャパン岡山譲渡センターから卒業した「ピース」(元メリヤス)の里親さまも、「ピース」のために2頭目の「アネモネ」を迎えてくださった方たちです。運命の出会いから素敵な姉妹になった「ピース」と「アネモネ」の物語をご紹介します。
 

 
「ピース」は、2021年7月13日にピースワンコに保護された野犬の子犬です。当時、推定4ヶ月ぐらいでした。同じ日に引き取られたワンコたちと一緒に過ごしながら、本当の家族と出会うためにお散歩の練習を始めていきました。
 
そんな「ピース」に目を止めてくださったのは、元保護犬だった先代の愛犬を亡くされたばかりの里親さまご家族。実は先代犬「ラブーム」もピースワンコが保護したワンコです。2018年に動物病院に「ラブーム」が入院していたときに出会い、その時にピースワンコの活動を知ってくださり、「ピース」のご縁へと繋がりました。
 

※里親さまご提供写真(先代犬「ラブーム」)

 
先代の愛犬「ラブーム」はとても怖がりで警戒心が強い子だったそうです。人にもあまり馴れていなかったので、夜中にお散歩をして少しずつ慣らしてくださいました。やっと落ち着いてきたと思った矢先、散歩中に急にパニックを起こしてダブルリードが外れて逃走。そのまま事故にあって亡くなってしまいました。里親さまご家族は、突然の悲しい出来事にショックを受けるとともに、自分たちの油断から大切な家族を事故死させてしまったと後悔して落ち込む日々。そんなとき、「ラブーム」の面影があるワンコが岡山譲渡センターにいるのを見つけたそうです。
 
愛犬を事故死をさせてしまった人間がまた犬を飼っても良いのだろうか?犬と暮らす資格があるのだろうか?、悶々と悩みながらご連絡をくださり、ご来店くださいました。目に留まったワンコは卒業が決まっていたのでご紹介できませんでしたが、その時、「ピース」との出会いがありました!
 

 
体重10㎏弱と小柄な「ピース」は、馴れるとお腹を見せてゴローンとしてくれる甘えん坊な女の子に成長していました。けれど、警戒心が強くてとても怖がりなところがあり、知らない人と出会ったり車が通ったりする岡山譲渡センター周辺の環境は何かと怖いことが多く、お散歩はグイグイ引っ張りながら急いで歩き、楽しむ余裕がありません。里親さまは、「ピース」のそんな性格もご理解くださり、「先代の愛犬にしてあげられなかったことを一緒に楽しんでいきたい」と、「ピース」を迎える決意をしてくださいました。準備を整えて頂いたのち、2021年12月12日に「ピース」は里親さまの元へ卒業していきました!
 

 
里親さまは、怖がりな「ピース」が少しずつ新しい環境に慣れていけるように、お散歩コースや時間帯も配慮しながら過ごしてくださいました。そのお陰で、2週間ほどで「ピース」はとても楽しそうにお散歩できるようになりました。こまめに岡山譲渡センターへ里帰りしてくださり、センターにいるワンコたちも可愛がってくださいました。
 

※里親さまご提供写真(里親さまとお散歩中の「ピース」)

 
甘えん坊な「ピース」は、なかなか他のワンコと仲良く遊ぶことができず、オヤツやおもちゃがあるとガルガル唸りながら、みんなを追い払ってしまいます。そんな様子を見ながら里親様は、「ピース」にとっては、もう一頭、きょうだい犬がいたほうが良い影響があるのではないか、と考えるようになったそうです。
 

 
私たちスタッフは「ピース」の甘えん坊な性格を考えると、ご家族の愛情を独り占めしながら可愛がってもらえる環境がベストだと思い、2頭目のお迎えはあまりお勧めしなかったものの、里帰りの度にいろんなワンコたちと触れ合ってもらいながら「ピース」との相性を見て頂きました。その後、「ピース」の体調不良が続き、2頭目お迎えの話は立ち消えていましたが、1年ほど経過して「ピース」の体調が落ち着いた時、神石高原シェルターで運命の出会いがありました!
 

 
里親さまが目を留めてくださったのは、ドッグラン利用のために訪問した時に偶然出会った「アネモネ」。「アネモネ」は多頭飼育崩壊から保護された子で、2024年1月9日にピースワンコにやってきました。推定4歳ぐらいで出産経験があり、初めから人懐っこくてワンコ同士のコミュニケーションもとても上手。この子なら「ピース」とうまくやっていけるかもしれない、と感じた里親さまは、トライアルで様子を見ることに。
 

※里親さまご提供写真(トライアル中の「ピース」(左)と「アネモネ」(左))

 
最初はお互いに緊張し、「ピース」は自分のスペースを守って唸りもでたようですが徐々に距離感が縮まっていき、1週間後には一緒にワンプロできるまでになりました!里親様は、人が大好きな「アネモネ」にとっては、先住犬がいる家ではなく1頭だけで可愛いがってもらえるお家に行くほうが幸せではないだろうか、と思うこともあったそうです。トライアル終了後、一旦、「アネモネ」を神石に戻して検討することに。
 
ところが、「アネモネ」とあれほど仲良くできたのに他のワンコにはガルガルしてしまう「ピース」の様子をみて、「アネモネ」は「ピース」にとって特別な存在になっている、と感じた里親さまは「アネモネ」を家族に迎え入れることを決断!すぐに戻ってお迎えに来てくださいました。
 

 
「アネモネ」を迎えて2か月たった時、「ピース」と一緒に岡山譲渡センターへ里帰りしてくれました。他のワンコにガルガル唸っていた「ピース」は、自分からワンコの輪の中に入ってみんなと一緒にとても和やかに過ごすことができるようになり、人がたくさんいる中でもお家と変わらない様子で「アネモネ」とのワンプロを見せてくれました!そんな「ピース」の成長ぶりに、私たちスタッフはビックリ!「アネモネ」がいろんな人やワンコと上手に接している様子を見ながら、「ピース」も接し方を学んで自信がついてきているのだと思います。
 
ワンコも人間と同じでそれぞれに個性があって、得意なこと、苦手なことがあります。そしてワンコたちは、人間が思うよりもずっと高い可能性を秘めています。「ピース」と「アネモネ」を通して、私たちスタッフはそのことに改めて気づかされました。
 
「怖がりだから…」「他のワンコが苦手だから…」と決めつけて行動範囲を狭めてしまうのではなく、無理なく少しずつ世界を広げてあげることで、ワンコたちもより楽しく暮らせるようになるのかもしれません。
 
そして、ワンコの 可能性を引き出してくれるのは、2頭目や3頭目に迎えるワンコかもしれません。家族になった保護犬のことで悩んでおられる方がいらしたら、「ピース」と「アネモネ」のこの記事をご参考にしていただけたらと思います。
 

 
※ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。一頭一頭に寄り添ったお世話ができるのも、皆さまのご支援のお陰です。ワンコの命を守る活動を続けていくために、ご支援をよろしくお願いいたします。

\ 命を救い、幸せにするために /

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    目次スイートホームちゃことはな犬のいない散歩なんてコキア色のちゃこはなのお迎え愛すべきギャップ「なんなんだ?」といえる愛 スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家と […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    目次ひとりからみんなで犬のぬいぐるみと一緒に犬たちにできること東海で最大の取り組みを「静岡のワンコたちも救う」苦労も超えるオープンに向けて ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    目次春雷と愛犬音響トレーニング雷の轟音をやり過ごす方法雨宿りの思い出ずぶ濡れでなぜ悪い犬と暮らせば勇気だって湧いてくる 春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠 […]
  • 卒業4000頭目!「ごーちゃん」卒業!

    2023年10月29日、ピースワンコでは記念すべき卒業4000頭目のワンコ「ごーちゃん」が、岡山譲渡センターから里親様の元へ卒業していきました! 2023年3月14日に保護された「ごーちゃん」は、当時、推定1歳くらいの野 […]
  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。