2024年2月2日

保護犬を迎えて 3 pecoさんとアリソン

My dear,my dog

保護犬を家族に迎える。
それは「一つの命を救うこと」であると同時に、「大きなギフトを受け取ること」なのかもしれない。
愛し愛されることで、ただ居てくれるだけで、こちらの心まで救われる存在。
犬は家族の中で、そんなかけがえのない光になり得るのだから。
2022年8月、タレントのpecoさん、ryuchellさんファミリーに迎えられた保護犬のアリソンも、特別な存在として家族を照らしている。

「賢くて、めちゃめちゃ可愛くて、私のことをいつも気にかけてくれていて。本当に、この子に守られている気がするんです」

モデル、TVタレント、ファッションブランド「Tostalgic Clothing(トスタルジック・クロージング)」 のデザイナー・プロデューサーとして活躍するpecoさんは、笑顔でそう話す。

初エッセイの最初の章に

ご自身初のエッセイ『My Life』(祥伝社)を2024年2月1日に出版するpecoさん。
その本のCHAPTER1のタイトルは、「My Dog-アリソン」だ。
そこには、ピースワンコジャパンから迎えた保護犬アリソンと、「新しい家族のかたち」への思いが、穏やかに、真っ直ぐにつづられている。
pecoさんが、「アリソンを迎えようと決めるまでのお話を最初にすることで、『家族』に対する思いや、生きていくうえで大切にしているものを、ちゃんとお伝えできる気がする」と記しているように、その強く優しい覚悟は、エッセイを通し、確かなものとして読み手に伝わってくる。
アリソンとpecoさんたち家族の物語を、さらにうかがってみたい。

保護犬との出会い

子どもの頃から犬が大好きだったpecoさん。
実家ではミニチュアダックスフントの男の子と共に育ち、上京してからは、いつか大きなワンコと暮らしたいとの夢を描いていた。
保護犬と初めて触れ合ったのは、2016年。
パートナーのryuchellさんと一緒に出演した、テレビ番組の企画だった。

「その企画に関わって初めて、保護犬の置かれた現実を目の当たりにしたんです。ワンちゃんたちに申し訳なくて、胸が痛くて、涙が止まりませんでした」

その企画で、pecoさんに大きな転機が訪れる。
1週間の一時預かりとして共に暮らすことになった、保護犬のサリーとの出会いだ。

「トイレやご飯、お散歩など、すべてのお世話をさせてもらったんです。サリーと過ごした1週間は、今までさせていただいたお仕事の中でいちばん楽しかったくらい、濃密な時間でしたね。中型犬で力の強いサリーとの生活を経験したことで、大きなワンちゃんと暮らす自信もつきました。そして、将来ワンコを迎えるなら、保護犬の子を迎えようと決めるきっかけにもなりました」

覚悟をもって迎える

それでも、ワンコを幸せにできる状況が整うまで、お迎えはできないと考えていたpecoさん。
「言葉にするまでもないことなのですが」と前置きしながら、こう続ける。

「ペットではなく家族ですから。一つの命が家族に加わってくれたなら、最後まで一緒に暮らしていくものですし、寂しい思いもさせたくない。人間の子と違って一緒に行動できない場所も多いですから、そのぶん特にお迎えして最初の1〜2年は、お家で一緒に過ごせる時間を充分に作ってあげたかったんです」

責任と課題に向き合い、準備を整え、覚悟ができて初めて行動する。
結婚も出産も、新しい家族のかたちに踏み出すことも、そうして決断してきた。
ワンコを迎えることに対しても、pecoさんらしい真摯さは揺るがない。

やってきたタイミング

2016年の末、pecoさんはryuchellさんと結婚し、2018年に息子さんを出産。
犬と住める広い家へと引っ越し、育児と仕事に勤しみながら、ワンコを迎える環境と心の準備を少しずつ進めていた。
そして2022年、そのタイミングがやってくる。

「息子が4歳になって手がかからなくなった頃、ディレクターを務めていた自身のブランド『Peco Club』のお仕事にも区切りがつき、家にいられる時間が増えたんです。ryuchellの告白があって、『家族の新しいかたち』について話し合っていた時期とも重なりました。その中で、息子の妹か弟になってくれるワンちゃんが新しい家族に加わってくれたらいいねと二人の気持ちが一致し、いよいよ保護犬をお迎えする決心がついたんです。『今だな』と思える状況が、不思議と揃ったんですよね」

偶然に導かれて

本格的にお迎えする保護犬を探し始めたものの、里親募集に申し込んでもうまくご縁が繋がらなかったりと、当初は難航。
途方に暮れていた頃、偶然にも、Instagramでピースワンコジャパンのプロジェクトリーダー、安倍さんと再会する。

「テレビのロケでお世話になった安倍さんのアカウントを見つけて、嬉しくてご連絡したんです。やり取りをしていくうちに保護犬探しの相談になり、その後、保護したワンコから仔犬が生まれたとのご連絡があって、写真を送っていただきました」

2頭の母犬から生まれた15頭のパピー。その写真の中で、pecoさんが一眼で夢中になったのが、アリソンだった。

「1匹だけふわふわで控えめで、雰囲気が違ったんです。追加で送っていただいた写真や動画でも、ポテポテした姿がたまらなくて、この子がいいと決めました。そこからはスムーズにお話が進みましたね。出会えたタイミングも含めて、運命だったと思っています」

似たもの同士の愛おしさ

こうしてpecoさんたち一家に、生後2ヶ月で迎えられたアリソン。

「怖がったり、問題行動もあったりするものと心構えをしていたのですが、アリソンは我が家に来て30秒で馴染んでいましたね。息子もちょうど夏休みで、最初の2ヶ月ほどは、ほとんどの時間を家で一緒に過ごすことができました。アリソンはパピーの頃からお利口で、私の言うことをしっかり聞いてくれるんですよ。人の気持ちを察してくれるところも、賢いなと思いますね。例えば、私が忙しくしていると静かに待っていてくれて、ゆっくり過ごせる時間になった途端に寄ってきてくれるんです」

生き生きとした表情で、アリソンの様子を教えてくれるpecoさん。
その言葉には、アリソンへの愛おしさがあふれている。

「アリソンと私は、性格がよく似ているんです。例えば、ワンちゃんや人に愛想よく挨拶しにいったかと思ったら、『まだ心は開いてないから』っていう態度で威嚇するようなところ(笑)。似てるなって共感しますね。私のことは本当のママと思って信頼してくれているみたいです。ダメと教えたことはすぐにやめますし、ソファに座るともたれかかって甘えてきたり、背中を見せて前に座ってくれたり」

家族の中で

「アリソンは、私が何をしても許して、受け入れてくれる存在なんです」

pecoさんはそう言って、愛おしそうに目を細める。

「アリソンは息子のことも大好き。姉のような妹のような、すごくいい関係です。お友だちが遊びに来てくれたときには、みんなが怖がらずにうまく遊べるように、息子がアリソンとの接し方を説明していて、すごく素敵だなって感じましたね。アリソンは、ryuchellのことも本当に大好きで、お出迎えではいつも、すごい勢いで尻尾を振っていました。もう、尻尾が飛んでいきそうなくらい(笑)。夜、眠っているときも、ryuchellの帰ってきた足音や鍵を開ける音は聞き分けていて、物音がしても吠えることなく、静かに待っていました。これはパパの音と分かっているんだなって、感動しましたね」

この子がいる、一人じゃない

アリソンのお散歩は毎日1時間。
帰宅後には約30分かけて、拭き取りやブラッシングなどのボディケアを欠かさない。
それだけ手をかけていても、「100パーセント、私が守られているんです」と、pecoさんは明るく言いきる。
2023年の夏、ryuchellさんが亡くなったときにも、アリソンにどれだけ救われたかと、pecoさんは振り返る。

「19時半頃に息子が寝て静かになると、色々な思いが押し寄せてくるんです。それでも、息子を寝かしつけてリビングに戻ると、アリソンが待っていてくれる。その存在がどれだけありがたかったか。アリソンがいてくれるから、一人だと思うことは全くありませんでした。大きな体を抱きしめることで、たくさんの癒しとパワーをもらったんです」

巡り続ける愛

ピースワンコの保護犬の多くを占めるのは、雑種の元野犬の子たち。
だからこその魅力があると、pecoさんは話す。

「雑種の子の犬種の混ざり方は、その子だけのもの。世界にたった1匹の子なんだと思うと、すごく愛おしいです。元野犬の子には、大変なところもあるかもしれません。でも、その大変さは『保護犬だから』じゃなく、その子自身の個性と受け止めると、見え方が変わってくると思うんです」

人が犬との接し方を正しく身につけ、愛情をもって向き合えば、犬は答えてくれる。 pecoさんは続ける。

「ロケ中に安倍さんがずっとおっしゃっていたんです。『犬は裏切らない』って。本当にそうだなと、日々感じていますね。私たちが愛をいっぱい注いでいたら、そのぶんの愛を、ワンちゃんも返してくれる。神様みたいな存在だなって思うんです」

注いだ愛と、受け取った愛。
それはお互いをつなぎ、循環していく。
pecoさんと息子さん、ryuchellさん、そしてアリソンがお互いに伝え、受け取った愛は、これからも家族の中で、巡り続ける。
——————————
『My Life』
著者:peco
発売日:2024年2月1日
価格:1650円
発行:株式会社 祥伝社

取材・執筆:林りん
ライター、編集者、イラストレーター。シニアの愛犬が相棒。
インバウンド向け情報メディアの編集部に勤務後、フリーに。
雑誌やライフスタイル系WEBマガジンでの編集・執筆、企業オウンドメディアのデレクション、コピーライティング等を行う。
近年はイラストレーターとして、出版物の挿絵やノベルティグッズのイラスト等も手がける。

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