
愛犬がお尻をこちらに向けてくる…そんな行動に「なんで?」と疑問を感じたことはありませんか?一見不思議に見えるこのしぐさには、犬ならではの心理や習性、時には体調に関わるサインが隠れていることがあります。本記事では、犬がお尻を向けてくる理由やお尻を向けたときの注意点、飼い主としての適切な対応まで、より良い関係を築くためのヒントをお届けします。犬の隠れた心理を理解して、愛犬との楽しい毎日を送りましょう。
犬が飼い主にお尻を向けるのはなぜ?

お尻を向ける姿は、一見するとそっぽを向かれているように見えるかもしれません。しかし実際多くの場面において、犬がお尻を向けてくる行動は、飼い主との間に強い信頼関係や安心感があるサインと考えられています。犬にとってお尻や背中は視界に入りにくい急所のため、無防備に見せられるほど飼い主を信頼していると言えます。
犬が飼い主にお尻を向ける主な理由

犬が飼い主にお尻を向ける理由の大部分は信頼や安心と考えられていますが、それ以外にも様々な背景があるとされています。愛犬の行動の背景を理解してあげることで、より強い絆を築くことができるはずです。
信頼と安心のサイン
お尻を向ける理由の多くは、まさに信頼と安心のサインです。犬は後方が見えづらく、危険を察知しにくい背中側を相手にさらすのは信頼している証拠です。飼い主のことを信頼していて、安心しているからこそ見せる貴重な姿といえます。
群れの本能・習性として

犬は野生時代、もともと群れで生活する動物で、仲間と背中を合わせて座ったり寝たりすることで、安全を確保していました。ペットとして暮らす現代の家庭犬もその本能を受け継いでおり、飼い主を「群れの仲間」と見なし、安心できる存在として認識していると考えられます。
撫でてほしい・甘えアピール
犬の性格によっては、「撫でてほしい」「かまってほしい」という甘えのサインである場合も多いです。特に社交的な犬や甘えん坊な性格の犬は、体を密着させることで飼い主とのスキンシップを楽しもうとします。このような行動もまた、飼い主に対する愛情や安心感が込められていると考えられます。
匂いをつけて安心しようとしている
犬は匂いで情報を整理する動物で、嗅覚は人間の何十倍もの感度を持っています。お尻をくっつける、体を擦り付けるといった行動は、自分の匂いを相手につける「マーキング」の一種で、縄張り意識や所有欲の表れでもあります。信頼する飼い主に自分の匂いを残すことで、精神的に安定しようとしているのかもしれません。
初対面の人にお尻を向ける理由は?

初対面の人に対して犬が突然お尻を向けてくると、驚いたり困惑することもあるでしょう。しかし、犬のこの行動にもいくつかの理由があるとされています。
「敵意がない」ことのアピール
犬がお尻を向ける行動は、「自分は攻撃の意思がない」と伝えるカーミングシグナルであることが多いです。特に初対面の人に対しては、相手に安心してもらうため、あえて無防備な姿勢を見せていることもあります。これは犬同士の交流でも一般的に見られる行動で、社会的な距離を縮めるための重要なコミュニケーション手段とされています。
相手を試している・観察している

初対面の相手にお尻を向けることで、相手がどのように反応するかを探っている可能性もあります。特に警戒心の強い犬ほど、このような行動を通じて相手がどんな人物かを見極めようとしています。安心できると判断すればきっと距離を縮めてくるはずです。
社交的な犬がとる行動の場合も
一部の犬は社交的で人を好み、誰に対してもフレンドリーです。こうした犬は、初対面の人にもお尻を向けたり、体を預けたりすることに抵抗がありません。その場合、お尻を向ける行動は単純に「一緒にいたい」「遊ぼうよ」というアピールです。社交性の高い犬は、過去の経験や育ち方で、他人に対して安心感をもって接することができるのです。
犬がお尻を向けて寝るときの注意点

犬がお尻を向けて寝るのは基本的には安心しているサインですが、場合によっては体調や心理的な不調を示していることもあります。愛犬の様子をよく観察し、普段と異なる場合は、早めの対処が大切です。
肛門やお尻トラブルの可能性

犬がお尻を向けて寝る頻度が急に増えたり、お尻をしきりに気にしている様子がある場合、肛門嚢炎や皮膚炎などのトラブルが隠れている可能性があります。肛門腺が詰まると違和感を覚え、地面にお尻をこすりつける行動がよく見られるようになります。放置すると悪化することがあるため、早めに動物病院で診察を受けることが重要です。
ストレスや不安を感じている可能性
犬が背を向けて寝ているとき、まれにストレスや不安のサインの場合もあるため、注意が必要です。環境の変化や飼い主との関係悪化、怖い記憶などで心が不安定になり、壁など視界からの情報を遮断できる方向を向くことで落ち着こうとしている場合があります。このような行動が見られたら、第一に犬の心理的なケアを考えてあげましょう。
病気や違和感を訴えているサインかも
愛犬が普段と異なりお尻を向けて寝る、あるいは何度もその部位に触れさせようとする場合、痛みや不快感を伝えようとしている可能性があります。股関節や腰の疾患、神経痛など、直接病変が見えにくい場合もあるため、違和感を覚えたらすぐに動物病院を受診しましょう。
犬がお尻を向けたときの接し方

愛犬がお尻を向けてくるときは、愛犬との関係性をより一層深めるチャンスです。ここでは、愛犬との絆が深まるおすすめの接し方を紹介します。
驚かせず優しく接する
犬がお尻を向けたときに、急に声をかけたり体を触ると驚かせてしまいます。特に睡眠中やリラックスしているときは、驚かせないよう静かな動作を心がけましょう。安心できる環境をつくることが、愛犬との信頼関係を深める第一歩です。
優しく声をかけスキンシップを

おすすめのスキンシップは、優しく声をかけながら背中を撫でてあげることです。撫でることは犬にとってもリラックス効果があり、ストレス軽減にもつながります。触れ合いを通じて体の異変にも気づきやすくなるため、普段から健康チェックとしても行うと良いでしょう。
犬がお尻を向けるのは愛情と健康のサイン
犬が飼い主にお尻を向ける行動は、一見不思議にも思えますが、愛情や信頼、そして健康状態のサインなどいろんなメッセージが込められています。無防備な姿勢を見せてくれるのは、飼い主を「守ってくれる存在」として認識しているから。愛犬のさりげない行動にも目を向けることで、絆はより深まり健やかな暮らしが築けるはずです。ぜひ、その気持ちに応えてあげてください。の絆は確実に深まります。鳴き声を通じて安心できる良い関係を築いていってくださいね。
【執筆・監修】
岡 るな
獣医師、ライター。大学卒業後、畜産系組合に入職し乳牛の診療に携わる。その後は動物病院で犬や猫を中心とした診療業務に従事。現在は動物病院で働く傍ら、ライターとしてペット系記事を中心に執筆や監修をおこなっている。















