【車椅子のクラリスの卒業】沢山の方々に支えられ命を繋いできました

 2016年、瀕死の状態で広島県動物愛護センターからピースワンコ に保護されたクラリス。事故のため背骨が折れて半身不随の状態でした。ピースワンコ に来てから手術を受け完治はしませんでしたが、専用車椅子を作ってもらい、これまで4年間穏やかにピースワンコ で過ごしてきました。
障害があり、元野犬で知らない人を見るだけで失禁していたクラリス。この子が卒業できるなど、スタッフ誰一人ピンときていなかったと思います。



ところが7月14日、クラリスは広島から遠く離れた神奈川在住の里親さんのところへ卒業したのです!
先住犬がいるご家庭のKさん。クラリスとの出会いは、ワンダフルファミリーのHPでした。クラリスの障害に目が止まったというより、一目惚れだったそうです。ワンダフルファミリーとして支援をスタート。直接どうしてもクラリスに会いたくなり、冬の積雪を乗り越え、面会に来られました。長い時間世話をしてきたスタッフにしか気を許さないクラリスが、Kさんご一家にはお腹を見せて、もとからの家族のように過ごしていたことに、スタッフ皆が驚きました。



なぜクラリスを引き取ろうと思ったのですか?という質問へのKさんの答えはこうでした。「どうしてクラリスにしたか、保護犬だから引き取ったのではなく、クラリスだから引き取ったんだと思います。“クラリスだから家族になろうと思った”が正解です。可愛いからとしか答えられないです。たまたま、クラリスに障害があった。ただ、それだけです。障害=大変とは思ってないです。障害とは出来ないことがあって、それを手伝うことだと考えていて、手伝う大変さというものはあると思いますが、それが大変かは人によって感じ方が違うという事じゃないかなと思っています。」

息子さんが沢山のクラリスの写真を撮ってくださいました。いつか穏やかなご家族が迎えにきてくれるとクラリスも待っていたのかもしれませんね。



クラリスはこれまでに本当に沢山の方々に支えられ命を繋いできました。
事故に遭ったところを助けて下さった方やセンターのスタッフ、病院へ緊急搬送したスタッフ、カイロプラティックの先生、部屋の隅でただ怯えているだけのクラリスを外へ連れだした当時の担当スタッフ、クラリス専用車椅子を作ってくれたお掃除スタッフ、そしてこれまで応援して下さったワンだふるファミリーの家族の方々。
本当に沢山の方々の支えでここまで来ることができましたが、最後はKさんの決断と行動力がクラリスを幸せに導いて下さったと思います。
障害とは関係なく、全てを受け入れ大切にして下さるご家族に出会えてクラリスは本当に幸せですね。ピースワンコ はこれからもワンコたちが新しい家族と出会って幸せになれるよう、がんばっていきます。

 

【関連記事】
●リチャードの物語.vol1:リチャードとの出会い~検疫犬舎
https://wanko.peace-winds.org/topics/5580

●リチャードの物語.vol2:リチャード、友だちができる?
https://wanko.peace-winds.org/topics/5602

●リチャードの物語.vol3:検疫犬舎からのお便り
https://wanko.peace-winds.org/topics/5612

 

 

いいなと思ったらシェア

おすすめ記事

  • 保護犬を家族に迎える文化を。官民一体で「殺処分ゼロ」へ!

    ピースワンコは広島県の要請のもと、往復4時間かけて定期的に動物愛護センターへ通い、殺処分対象の犬たちを引き出しています。愛護センターは飼育放棄犬や野犬で溢れかえっており、私たちは怖がりな野犬や咬傷犬など、愛護センターでの […]
  • 終(つい)の住処になるー終生預かりボランティア制度ー

    預かるという選択 ピースワンコに在籍する、約2500頭の保護犬。 その中には、シニアや持病のあるワンコも含まれている。 人に慣れ、体調管理をしてもらいながら、穏やかに暮らす犬たち。 そういった子たちは、人が好きなワンコで […]
  • 【遺贈寄付】故人の想いが込められた浜松譲渡センター

    ひとりからみんなで イギリスの音楽家のジョン・レノンは 「ひとりで見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」という言葉を残した。 今回は、まさに彼の名言を体現したような話を綴りたい。 ピースワンコ・ジャパンは、全国で […]
  • 保護犬を迎えて 片桐家の「ちゃこ」と「はな」

    スイートホーム 芸人、俳優、造形作家と、多彩に活躍する片桐仁さん。2頭の保護犬と共に暮らす愛犬家としての一面も、そんな片桐さんのもう一つの顔だ。保護犬を我が家に迎えること。自分たちが、その子にとっての帰る場所になること。 […]
  • 手のひらと肉球をつなぐもの

    春雷と愛犬   春雷、という言葉がある。 春の到来を伝える雷ともいわれ、 雷鳴に驚き、冬眠していた地中の虫たちが目ざめるという理由で「虫出しの雷」という呼び名もあるそうだ。 なにかがはじまるような雰囲気で、嫌い […]

Supportご支援の方法

「里親になるのは難しい...」 という方にも、様々なご支援をいただいており、
「殺処分ゼロ」を実現するためにはあなたのご支援が必要です。
寄付、ふるさと納税を使ったご支援、ボランティア、物品寄贈など、あなたにあった方法でご検討ください。