【ワンだふるLIFE】二度と犬は迎えない―。里親さまの心を動かした「グローブ」

ピースワンコから卒業していったワンコは、5171頭以上にのぼります(2025年8月末現在)。ワンコたちはどの子もみな家族ができると、穏やかで幸せそうな表情になり、まるで別人のように変わります。あきる野譲渡センターから卒業した「グローブ(愛称:グーちゃん)」も幸せを手に入れたワンコの1頭です。

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「グローブ」を家族に迎えてくださったのは、18年間一緒に暮した先代犬を虹の橋へ見送られた里親さま。あきる野譲渡センターのボランティアに参加された際に、「グローブ」と出会いました。当初は「もう2度と犬を家族に迎えることはない」と思っておられた里親さまと「グローブ」のエピソードをご紹介します。

●「グローブ」ちゃん(旧名:同じ/愛称:グーちゃん)
・推定誕生日:2017/12/20
・受入日:2018/02/20
・卒業日:2024/12/13
・卒業場所:あきる野譲渡センター @pwj_akiruno

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家族に迎えようと思ったきっかけ

2024年3月から、あきる野譲渡センターでボランティアに参加するようになりました。実はその2年半ほど前、18年間一緒に暮らした柴犬を見送り、もう2度と犬を家族に迎えることはないと思っていました。

そんな中、その年の7月に「グーちゃん」があきる野譲渡センターにやってきました。でもそのときは特別な感情を抱くことはありませんでした。

私の目に映った「グーちゃん」は、お散歩は上手なのに、他のワンコやおもちゃで遊ぶことはなく、屋外ランに出ても隅っこに座って1人で遠くを眺めている・・・。全く感情を表すことのないワンコで、おやつを食べる姿さえ、一度も見たことはありませんでした。

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2~3ヶ月ほど経った頃から、「グーちゃん」が散歩で好きな道に進めないとピーピー鳴いたり、喜んで走ったりするようになったという話を聞くようになり、「グーちゃん」に興味が湧き始めました。

そして実際に「グーちゃん」が自分の感情をだせるようになってきている様子を目したとたん、感動と同時に「グーちゃん」への愛おしさが湧き上がってきて、家族に迎えたい!という想いに発展していきました。

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けれど虹の橋へ見送った先代犬への想いと、「グーちゃん」を家族に迎えたいという気持ちが心の中で絡み合い、なかなか結論を出せずにいました。悩んだ末、妻に相談したところ「まずはセンターのスタッフさんに話してみよう」ということになり、妻と一緒に「グーちゃん」に会いに行きました。

スタッフさんに私たちの思いを聞いてもらったところ、じっくり受け止めてくださり、なんと2時間半にもわたって一緒に考えてくださいました。その時間を経たお陰で、ようやく私たちは「グーちゃんを迎えよう」と決心することができたのです。

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お迎えしてよかったこと

「グーちゃん」からあり得ないくらいの癒しをもらっています。「グーちゃん」は部屋の隅っこの敷物の上にいることが多いのですが、ごくごく稀に隅っこから出てきて伸びをしてくれたときは感動します!また、頭を撫でた時に目を閉じて身をゆだねてくれているような様子をしたり、少しずつ私たちのことを受け入れてくれているしぐさがあったりすると涙が出るほどの喜びを感じてます。

また、他の里親さんと交流できる機会ができたことも良かったと思っています。「里帰りお散歩会」という譲渡センターのイベントがあるのですが、そこに参加すると他の里親さんと情報交換できたり、悩みを相談したり。とても楽しい時間を過ごすことができます。

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お迎えして大変だったこと

特に大変と感じることはありませんでしたが、人がいる場所ではご飯を食べなかったり、水を飲まなかったりするのが心配でした。

それでも今では、人がいても少しずつ食べたり飲んだりできるようになり、最近では手からおやつを食べてくれるまでになりました。

ただ一つだけ、なぜか妻のことが苦手なようで、妻が「グーちゃん」の近くを通っただけで逃げてしまうんです。それを妻が悩んでいるということが、大変なことでしょうか(笑)

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これから保護犬を迎えようと思っている人へのメッセージ

とにかく、先ずはワンコたちに会いに行ってあげてください。
そしてもしも、気になったワンコがあなたのことを怖がって震えていても、そこであきらめないでください。その姿はそのワンコの本当の姿ではありません。

どうかそのワンコに何度も会いに行ってあげてください。
何度もお散歩を体験してみてください。
きっと会いに行くたびに、そのワンコの変化を目にすることができると思います。

そしてそのワンコの事を、もっと知りたい、と思ったら、ボランティア活動に参加するのがおすすめです。そのワンコの本当の姿を見ることができますよ!

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あきる野譲渡センター スタッフからのメッセージ

「グローブ」があきる野譲渡センターに来てからの変化は、本当にゆっくり少しずつでした。お散歩のとき、嬉しそうにはしゃぐような姿を見た時は、スタッフ一同、とてもびっくり、嬉しかったのを思い出します。ボランティアとして通ってくださっていた里親さまは、ワンコたちのことを良く見ていてくださり、「グローブ」の変化も一緒に喜んでくださいました。

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「グローブ」を家族にお迎えするまで、たくさん悩んでおられたのも、ワンコに対する愛情の深さゆえ。今ではご家族の皆さまで「グローブ」にたくさんの愛情を注いで可愛がっていただいています。
生後2か月で保護されて、7年間「ずっとの家族」を待っていた「グローブ」。お家で過ごす時間が長くなればなるほど、どんどん色んな表情を見せてくれるようになると思います。
「グローブ」、これからも自分のペースでいいから、温かいご家族と一緒にのんびりゆっくり幸せに過ごしてね!里親さま、「グローブ」をこれからもよろしくお願いいたします。
(あきる野譲渡センター スタッフ一同)

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