
私たちピースワンコは県からの要請を受けて、殺処分予定の犬たちを定期的に引き出しています。その多くは野犬です。人が怖くて身を固くする子や、行政施設の職員さんから警戒心が強くて咬みつくかもしれないといわれていた子、くくり罠にかかって前足を怪我して腫れている子など、たくさんの野犬が保護されています。
この日は広島県の複数の施設から10頭以上を保護し、翌日は徳島、翌々日は福岡へと、行き先のない命をつなぐために連日各地を巡りました。

くくり罠にかかって重傷を負った子は、右前足が倍以上に腫れあがっており、背中には吸血して大きく膨らんだマダニが複数ついていました。痛みをこらえながらも、自らケージに入るその姿に胸が締め付けられます。害獣駆除という目的で無差別に仕掛けられた罠にかかって怪我をし、中には命を落としてしまう野犬もいます。怪我をした子は神石高原シェルターに連れ帰り、獣医師と共にケアします。

別の動物愛護センターでは収容スペースに余裕がないことから、保護された場所の異なる3頭の野犬が同じ部屋に入っていました。1頭はとても人懐っこく甘えてきましたが、2頭は隅で震えていました。どの子も穏やかで、優しい瞳をしています。今は不安で怖くてしかたがない2頭も、時間をかけてお世話をすれば、きっと人に懐く日が来ます。そして、どの子もみんな、優しい家族のもとで笑顔で暮らせる日が必ず来ます。

全国的に、野犬、というだけで殺処分されている現実があります。私たちが保護している犬の約9割も野犬です。野犬は怖がりな子が多いですが、心が通うと深い信頼を寄せてくれ、家族になったら全身で愛情に応えてくれます。
1人でも多くの人に野犬の魅力を知ってもらい、保護犬を迎える選択肢が広まってほしいと思います。そして犬を家族に迎えたら、虹の橋を渡る日まで生涯にわたって責任を持つ「終生飼養」が当たり前のことになってほしい、と心から願っています。

一頭でも多くの命をつなぎ、幸せにするために、私たちはこれからも活動を続けます。私たちの活動の様子と私たちの想い、ぜひ動画からもご覧ください。
⇒ ピースワンコTV(15分56秒)
※ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。一頭一頭に寄り添ったお世話ができるのも、皆さまのご支援のお陰です。ワンコの命を守る活動を続けていくために、ご支援をよろしくお願いいたします。
















