
2025年11月2日(日)、今年も神石高原シェルターで「卒業犬同窓会」を開催し、235組560名の里親さまと卒業犬257頭がご参加くださいました。
参加者の皆さんは、里親さま同士でお話をされていたり、久しぶりに再会したスタッフに近況を教えてくださったり、キッチンカーなどの出店やイベントを楽しんでおられたり、思い思いに“里帰り”の時間を過ごされていました。


高地にある神石高原町は秋でも肌寒いくらいの気候になりますが、この日は日差しが差し込み、ぽかぽかとした陽気が感じられるイベント日和に。里親さまとゆったりと日向ぼっこを楽しむワンコ、兄弟や友達との再会にはしゃぐワンコなど、思い思いの過ごし方で楽しんでいらっしゃいました。最後こそ雨が降り出してしまいましたが、ほとんどのイベントは天候に恵まれたなかで開催することができました。


中央の運動場スペースでは「障害物競争」、そして毎年恒例の「かけっこ大会」が開催されました。かけっこは50m3秒台というハイレベルな戦いに。1位に輝いた「はらぺ」はまさに風のような走りで、ゴール地点に設置されたネットを引き倒すほどの迫力でした。


一方で、なかなか走り出せなかったり、レース中に寄り道をしたりする微笑ましいワンコの姿も楽しめるのがこの大会の良さ。でもどのワンコも、みんな最後には里親さまにリードを引かれてきちんとゴールを果たしました。

イベント終盤には、プロジェクトリーダーの安倍誠から、参加された里親の皆さまに向けてご挨拶をさせていただきました。
私たちの活動は、ワンコたちを家族に迎えてくださる里親さまなしでは成り立ちません。里親さまをはじめ、支援してくださる皆さまのご協力により、ピースワンコを卒業したワンコは5,200頭を超えました。今年からは、広島県での保護活動を徳島県など他県に広げ、より多くのワンコの命を救うことができています。「全国殺処分ゼロ」に向けて、これからも皆さまと一緒に歩んでいきたいと思います。

同窓会で出会ったピースなワンコたち

卒業犬同窓会では、家族の一員として愛情いっぱいに育てられているワンコたちの姿をたくさん見ることができました。その一部を、皆さんにおすそ分けします。
2ヶ月前に里親さまに引き取られたばかりという「ノヴァ」。里親さまがピースワンコから迎えた3頭目のワンコです。ノヴァは、先にお迎えしていた「ヴィラ」の兄弟犬。ヴィラの兄弟がシェルターにいるということを知った里親さまが、検討の末、ノヴァも迎えてくださいました。

新たにノヴァを迎えるにあたり、お世話を最後までしっかりできるか、娘さんと真剣に話し合われたと言います。兄弟犬を迎えるということは、2頭が同時期に介護が必要になるなどの可能性も考えなくてはなりません。「(ノヴァを迎えて)私たちはうれしくても、この子たちにとっては本当に幸せかどうかを考えました」という里親さまのお言葉が印象的でした。
お迎えから2ヶ月とは思えないほど家族に馴染んでいるノヴァの姿からは、そんな里親さまの優しさに包まれて、幸せに過ごしていることがひしひしと伝わってきました。
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兄弟犬をお迎えする決断をされる里親さまは少なくありません。保護犬には怖がりで新しい環境に馴染みにくいワンコが多く、シェルターで共に過ごした兄弟犬と一緒にいることで少しでも安心させたい、そんな想いからです。


「凪(なぎ)」と「狛(はく)」もそんな経緯で迎えられた兄弟犬。4年前に里親さまの元にやってきた凪は、とても怖がりで、新しい環境に慣れてからも恐怖心からおもらしをしてしまうことがあったそう。しかし、弟の狛がやってきてからそんなこともなくなり、すっかりお兄ちゃんらしくなったと言います。


同じ里親さまの元に迎えられた「はる」と「そら」も兄弟犬です。3年前、最初に広島譲渡センターを訪れた時には、1頭だけ引き取るつもりでいた里親さま。しかし2頭の仲の良い様子をみて、一緒に迎えるという決断をしました。

同窓会に訪れていたワンコは、卒業犬だけではありません。「キール」は譲渡ではなく、シニア犬や持病のあるワンコを対象にした「終生預かりボランティア」の制度を通じて、里親さまと共に暮らしています。おうちでは、寝るときも含めていつも一緒だと話す里親さま。この日も、ステージ前の椅子に腰を下ろし、ぴったりと寄り添って過ごされていました。

遠方から足を運んでくださった方、毎年のように同窓会に参加してくださっている方……たくさんの里親さまや幸せそうな卒業ワンコとお会いすることができ、普段シェルターでワンコのお世話をしているスタッフ一同にとっても、何よりの励みとなる1日となりました。
ピースワンコの卒業犬はこれからますます増えていきます。また来年の卒業犬同窓会にて、ぜひお会いしましょう!

※ピースワンコは、皆さまからのご寄付だけで活動しています。一頭一頭に寄り添ったお世話ができるのも、皆さまのご支援のお陰です。ワンコの命を守る活動を続けていくために、ご支援をよろしくお願いいたします。














