瀕死。ボロボロの野犬の親子を救う

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ピースワンコは今も広島県からの要請を受けて、定期的に県内の動物愛護センターから殺処分予定の犬たちを引き出して保護しています。

ある日、動物愛護センターから引き取る予定のワンコたちの所見がようやく終わったとき、職員さんから「瀕死の野犬を2頭保護した」と声がかかりました。職員さんが保護に向かったとき、息絶えているのではないかと思ったほど、かなり状態が悪かったそうです。保護された2頭は、親子のようでした。

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子犬はガリガリに痩せて衰弱しており、皮膚の状態も悪く、ヘルニアを発症していました。親犬の足にはくくり罠にかかったあとがありました。かろうじて罠から抜け出せたのでしょうか、大怪我をしていなかったのが不幸中の幸いでした。

保護された時、2頭ともぐったりしていたそうですが、1頭ずつケージに入れられてセンターに運び込まれて不安なのか、ケージの中で身体を起こして立ち上がっていました。

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神石高原シェルターに連れて帰るために2頭一緒のケージに入れると、子犬は親犬に近寄って、ぴったりと身を寄せました。

親子の見た目は全く違い、子犬は元飼い犬のような、テリア系の外見です。捨てられた血統書付きの元飼い犬と、野犬が交配し続けた結果なのかもしれません。人間が身勝手な理由で飼い犬を捨てたり、可哀想という気持ちだけで無責任にエサやりを続けることで、こうした血統犬と野犬の交配を生み出しています。もともと飼われていた命が捨てられ、自然界で子を持ち、そしてその子が再び保護される――。そんな悲しい連鎖を断ち切らなければなりません。

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広島では今も遺棄や餌やりによる野犬問題が後を絶ちません。動物愛護センターでは、野犬系の保護犬たちの人馴れトレーニングや譲渡活動をワンコのために頑張ってくださっています。一朝一夕に成果は出ませんが、継続が大切です。

保護した父犬は「ホク」、子犬は「チューリップ」という名前になりました。健康状態が良くなるように、神石高原の検疫犬舎で大切にお世話をしています。ピースワンコはこれからも行政と連携しながら、一頭でも多くの命を救い、日本の「殺処分ゼロ」の実現を目指して歩み続けます。私たちの活動の様子、ぜひ動画からご覧ください。
ピースワンコTV(11分53秒)

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