愛犬がご飯を食べない…犬の食欲不振の主な原因から体調への影響・対策方法まで解説【獣医師監修】

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「最近、愛犬の食欲が落ちてきた…」「夏バテかな?それとも病気?」と不安を感じていませんか。犬の食欲不振には季節的な要因から病気まで、さまざまな理由があります。本記事では、夏に多い食欲不振の原因や体調への影響、飼い主ができる対策、そして動物病院を受診すべきタイミングまで分かりやすく解説します。早めの対策で、愛犬と一緒に心配いらずの快適な夏を過ごしてくださいね。

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夏バテ?犬の食欲不振とは

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夏の暑さや湿度の変化によって愛犬が一時的に食欲が落ちてしまうことは、決して珍しくありません。しかし、症状や期間によっては病気のサインである可能性もあるため、注意が必要です。

普段から様子を観察し、食欲不振が続く場合には動物病院の受診を検討しましょう。夏場は特に体調を崩しやすいため、愛犬の健康を守るために飼い主ができることを知っておくことが大切です。

犬の食欲不振の主な原因

犬の食欲不振にはさまざまな原因がありますが、特に夏は季節的な要因に加えて生活環境の変化、年齢や健康状態が複雑に絡み合うことが多いです。

季節性

高温多湿となる夏は、犬にとっては大きなストレスとなります。体温調節が苦手な犬は、気温が上がると食欲が落ちやすくなります。これは人で言われる「夏バテ」という状態で、特に日中の暑さやエアコンの効きすぎによる冷えも影響します。

また、暑さで活動量が低下したり、消化機能が一時的に落ち、食べる量が減ったり、食事に時間がかかる場合もあります。一時的な食欲低下は大きな問題にならない場合もありますが、少量しか食べない日が続く場合や、複数の変化が見られる場合は要注意です。

ストレスや生活環境の変化

犬は環境の変化に敏感な動物です。引っ越しや家族構成の変化、飼い主の生活リズムの変動など、普段と異なる状況が生じると食欲不振になることがあります。また、来客や工事などの騒音、ペットホテルの利用などでもストレスを感じやすいです。

愛犬の様子に元気がない、遊びたがらない、食事に興味を示さないといった変化があれば、まずは普段通りの落ち着ける環境づくりが大切です。問題が続く場合は動物病院への相談をおすすめします。

年齢・持病による変化

シニア犬や慢性疾患を持つ犬は、夏の暑さやちょっとした環境の変化でも食欲不振を起こしやすくなります。老化によって消化機能や咀嚼力の低下が影響することもあります。また、持病によって体調が不安定な時期には食欲が低下しやすく、夏の暑さでさらに体調を崩す可能性もあります。特にシニア犬は、わずかな食欲低下が体重や体調の急激な変化につながるため、普段から体重や元気のチェックを欠かさないことが重要です。

【関連記事】老犬と幸せに暮らす。介護が必要になったとき家族ができることとは?

病気による食欲不振

犬の食欲不振は、実は単なる夏バテではなく「病気」のサインである可能性もあります。消化器疾患や歯周病、腎臓病、心臓病など全身性の疾患が進行している場合、食欲低下や少量しか食べなくなる、食事中に痛がるといった症状がみられます。とくに下痢や嘔吐、元気がない、短期間で急激に体重が減るなどの異常が見られるときは、早期に動物病院で獣医師の診察を受けることが必要です。

食欲不振になりやすい代表的な病気

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犬の食欲不振は一時的な変化だけでなく、背景に「病気」が隠れている場合があります。ここでは、食欲不振の原因となりやすい代表的な疾患について解説します。

消化器疾患

​​胃腸炎などの消化器の疾患では食欲不振以外にも、吐く、下痢をするなどの症状が現れやすくなります。原因としては食事内容やフードの急な変更、ストレス以外でも、夏は食材が傷みやすく細菌やウイルスによる食中毒が原因となる場合もあります。症状が改善しない場合は速やかに動物病院で診察を受けてください。

【関連記事】犬が嘔吐する原因は?自宅で様子見か病院を受診するべきか目安を解説

歯科・口腔疾患

歯科・口腔疾患も犬の食欲不振の大きな原因です。歯周病とは、歯や歯ぐきの周囲に炎症が起こる病気で、進行すると痛みや出血、口臭、歯のぐらつきなどが現れます。痛みや不快感から、食事中に顔をしかめる、フードをこぼすなどの異常も現れやすいです。

どんな犬種でもリスクがあるため、日頃から口腔ケアや定期的な健康チェックを欠かさず行いましょう。

【関連記事】犬の歯周病は放置すると危険!症状からリスク、対処法までを詳しく解説

全身性の疾患

全身性の疾患とは、身体全体に影響を与える病気のことです。代表的なものとして、腎臓病や肝臓病、心臓病、内分泌疾患(甲状腺機能低下症)などが挙げられます。これらの病気では食欲不振だけでなく、元気がない、被毛の艶がなくなる、下痢や嘔吐などさまざまな症状が現れることがあります。特に高齢犬では、加齢により病気のリスクが高まるため注意が必要です。

食欲不振が続くとどうなる?

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食欲不振が数日以上続くと、犬の体調や健康に大きな影響を及ぼすことがあります。長引く食欲低下は見過ごさず、必ず動物病院を受診してください。

栄養不足・免疫力の低下

十分に食事を摂れない状態が続くと、栄養が足りずに体重が減り、活動量や元気も低下しやすくなります。子犬やシニア犬は特に、血糖値が下がりやすく、すぐに体調を崩しやすいため注意が必要です。

痩せてしまうと免疫機能も弱まり、病気にもかかりやすくなります。普段から体重の変化をこまめにチェックし、食欲低下が続く場合は早めに対策を行いましょう。

脱水の進行

食欲がないと水分摂取量も減少しやすく、脱水のリスクが高まります。特に夏場は汗をかかない犬でも体内の水分が失われやすく、脱水状態が進行すると命に関わる危険もあります。舌や歯ぐきが乾燥している、皮膚の弾力が失われている場合は脱水のサインです。こうした異常があれば速やかに動物病院を受診しましょう。

持病や疾患の悪化

すでに持病や慢性疾患がある犬の場合、食欲不振が続くことでその疾患が悪化しやすくなります。病気の種類によっては食べられるフードに限りがある場合もあるため、獣医師と相談しながら、その子に合ったフードの種類や形状を選んであげましょう。どんな病気も十分な栄養が治療や体調維持に不可欠です。

動物病院へ行く目安は?

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食欲不振が見られたとき、どのタイミングで動物病院を受診すべきかは誰でも迷うものです。以下では受診の目安となるサインを解説していますが、違和感を感じた時点で動物病院を受診するのが、何よりも大切です。

長く続く食欲不振

食欲不振が2日~3日以上続く場合は、単なる一時的な不調ではない可能性が高まります。特に体重が減っている、若齢や高齢犬の場合は早めに動物病院で獣医師の診察を受けましょう。

嘔吐や下痢など別の症状がある

食欲不振だけでなく、嘔吐や下痢、発熱、咳、血便などほかの症状が併発している場合は、急を要する病気が隠れている場合があります。放置すると症状が悪化する危険があるため、早めの受診が安心です。

元気がなくぐったりしている

食欲がないだけでなく、明らかに元気がない、動きが鈍い、ぐったりしている、目に力がない、呼吸が荒いなどの変化がある場合はすぐに動物病院へ向かいましょう。命に関わる状況や重い疾患のサインである可能性があります。夜間に起こった場合でも、救急病院の受診を検討しましょう。

治療中の持病がある場合

心臓病、腎臓病、糖尿病など、すでに持病を治療中の場合は、夏の一時的な食欲不振だけでなく、病気の悪化や薬の影響、合併症などが疑われます。持病のあるペットは体調が急変しやすいため、どんな小さな異変でも獣医師に相談し、早めに診てもらうことが重要です。

 飼い主が今すぐできる対策と工夫

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夏の暑さで食事量にムラが出てしまう場合、まずは家庭で食欲を促す工夫をしてみることをおすすめします。

フードの工夫

フードの温度や香りを変えてみるだけでも、犬の食欲が刺激されることがあります。市販のウェットフードやトッピング、おやつを少し加えるのも効果的です。フードを人肌程度に温めると香りが立ちやすくなり、嗜好性が上がります。

食事の回数を増やし、1回あたりの量を少なめにすることで、消化への負担を減らすこともできます。フードの切り替えは突然ではなく徐々に行い、愛犬の様子を観察しながら進めましょう。

生活環境の見直し

夏場は直射日光や高温多湿を避け、エアコンや扇風機を上手に使って快適な温度・湿度を保ちましょう。室温は26度前後、湿度も60%を超えないことが重要です。また、静かで安心できる場所で食事を摂れるよう配慮し、生活リズムの変化や騒音などのストレス要因がないかもチェックしてみましょう。

水分補給の徹底

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食欲不振のときは水分摂取も減りがちですが、脱水を防ぐために水分補給は特に重要です。いつでも新鮮な水を用意し、飲みやすい容器を使うようにしましょう。

また、フードに少し水分を加えたり、ペット用スープを利用するのもおすすめです。夏場は特に脱水や熱中症になりやすいため、十分な水分を摂らせる工夫を忘れないでください。

【関連記事】愛犬が熱中症になったら…危険な症状や対策、飼い主が注意すべきポイントを解説

早めの気づきと対策で愛犬を守ろう

食欲不振は犬の体調や生活環境、病気などさまざまな要因で起こりますが、正しい対応を行えば予防や改善が可能です。ご飯の食べ方だけでなく、体重や仕草、ちょっとした変化など、日々の小さな変化にも気を配り、必要に応じて獣医師に相談しましょう。愛犬と安心して楽しく夏を過ごしてくださいね。

【執筆・監修】
原田 瑠菜
獣医師、ライター。大学卒業後、畜産系組合に入職し乳牛の診療に携わる。その後は動物病院で犬や猫を中心とした診療業務に従事。現在は動物病院で働く傍ら、ライターとしてペット系記事を中心に執筆や監修をおこなっている。

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